〈動画あり〉石浦選手、活躍を報告 上越市を訪問 市長や職員出迎え、たたえる 東京パラ競泳3種目で入賞

 東京パラリンピックの競泳視覚障害S11クラス女子で出場全3種目に入賞した上越市出身の石浦智美選手(33、伊藤忠丸紅鉄鋼)が27日、市役所を訪れ、目標としていた舞台での活躍や入賞の感想などを村山秀幸市長らに報告した。同選手が表敬訪問という形で市役所を訪れるのは初めて。木田第1庁舎市民ホールで集まった職員の出迎えを受け、「まさか、こういった日が私にも訪れるのかという心境です。多くの市民から応援を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びと謝意を表した。

職員の応援団や小旗、拍手の歓迎を受けた石浦選手(上越市役所1階市民ホール)

 同選手は4度目のパラリンピック挑戦で悲願の出場を果たし、50メートル自由形で7位、100メートル同で自己ベストを塗り替え8位に入賞。混合400メートル49ポイントフリーリレーでも第3泳者で日本チームの5位入賞に貢献し、アジア新記録をマークした。

 日本代表の公式ユニホームを着用し、同行した職員の案内で庁舎に入った。市民ホールで職員から横断幕での熱烈な歓迎、4階の応接室では村山市長から花束の出迎えを受けた。「出場3種目で入賞することができ、こういった形で凱旋(がいせん)することができました」と笑みをたたえた。

 村山市長や早川義裕教育長らとの面談で、これまでの経歴や視覚障害の程度、今大会各レースの感想などを話し、競技の特性や視覚障害の一番重いS11クラスで付ける、光を通さないブラックゴーグルなどを説明した。

応接室で村山市長から花束を贈られる石浦選手

 2008年の北京大会から過去3回のパラリンピック挑戦で惜しくも代表に届かなかった経過があり、「夢はすぐにかなえられるものではないと思いますが、長い年月がかかったとしても夢に向かって努力し続ければ、かなえられることを伝えたい」と話した。

 競泳については「競技中は障害を忘れられる。水の中は自由ですし、そういうのは魅力的」とし、今後の目標や3年後のパリ大会について「今までの4年サイクルと違い、選考会を逆算すると2年半。来年はアジア大会もありますし、今回取り忘れたメダルを取れたら。パリで最高の結果を残すには、次の大会はどういう結果を目標にしたらいいかをコーチと今後考えていきたい」と話した。

 初対面となった村山市長は「12年間の頑張りがすごい。市民皆さんに勇気を与えていただいた」と最大級の賛辞を贈った。

 久しぶりの帰省という石浦選手は28日、母校の北諏訪小やマハヤナ幼稚園などを訪ねる予定。「わずかな期間ですが、少しでも恩返ししたい。上越の空気を吸って、おいしいものを食べたい」と明るい口調で話した。

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