電子契約システム開発へ 長崎市と東芝G会社が協定 業務効率化に期待

電子契約システムの開発などに向けた協定書を交わす田上市長(左)と島田社長=長崎市役所

 長崎市は27日、民間事業者との契約事務で押印などの手続きを省きデジタル化するため、東芝デジタルソリューションズ(川崎市)と連携して電子契約システムを開発すると発表した。データ改ざんが困難なデジタル技術「ブロックチェーン(BC)」を活用した仕組みで、同社によると実現すれば全国の自治体で初めて。来年2月から実証試験に取り組み、来年度の本格導入を目指す。
 長崎市と同社は27日、試験版のシステム開発や効果検証などを実施するための連携協定を結んだ。
 BCはインターネット上の複数のコンピューターでデータを共有し、互いに検証しながら正しく記録する技術で、仮想通貨などにも使われる。他自治体がBCを使わない電子契約システムを使うケースはあるが、市によると、同社のBC技術を活用することで経費削減や安全性強化につながる可能性があるという。
 市は電子化する契約について、公共工事や業務委託などを想定。市は現在、事業者の入札参加資格申請から入札、開札までは電子化しているが、その後の契約は押印などが必要で、対面または郵送で書類を交わしている。電子契約により、事業者も印紙税がいらず負担軽減につながるという。
 この日は田上富久市長と同社の島田太郎社長がオンラインで協定締結式に臨み、田上市長は「押印や書類のやりとりがテレワーク普及のネック。市の業務効率化や民間のデジタル化をけん引することにつながる」と期待した。

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