中国工業部門企業利益、8月は6カ月連続で減速 コスト上昇が影響

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[北京 28日 ロイター] - 中国国家統計局が28日に発表した8月の工業部門企業利益は、前年同月比10.1%増の6803億元(約1050億ドル)だった。コモディティー(商品)価格高や厳しいエネルギー消費抑制策が重しとなり、7月の16.4%増から伸びが鈍化した。

増益率の鈍化は6カ月連続。

1─8月の工業部門企業利益は前年同期比49.5%増の5兆6100億元。1─7月は57.3%増だった。

統計局は声明で「企業利益の持続的かつ安定した回復がさらなる試練に直面している。(新型コロナウイルス)感染症が一部地域で流行しており、コモディティー価格は全体的に高水準、国際物流コストは高止まりし、半導体不足が企業のコストを押し上げている」と述べた。

中国当局はコモディティー価格高の抑制に取り組んでいるが、一方で気候対策目標の達成に向け電力使用の規制を厳格化し、製造業は打撃を受けている。

8月末時点の工業部門企業の負債は前年比8.4%増。7月末時点の8.2%増から加速した。

工業部門企業利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元を超える大企業が対象。

野村のアナリストはリポートで「工業部門企業利益は、今後数カ月でさらに鈍化するだろう。下半期は成長が著しく減速する見通しで、新型コロナの感染再拡大、政府の感染ゼロ政策、伸び悩む公算が大きい輸出、不動産部門の規制強化、環境対策の施行が背景だ」と指摘。

「多くの地域が深刻な電力不足に見舞われたため、9月はさらに大幅に鈍化する可能性があるとみている」と述べた。

コモンウェルス銀行はリポートで「一部の省で9月中旬以降、2カ月間の計画停電が行われ、国内総生産(GDP)伸び率を2021年は0.1%ポイント、2022年は0.3%ポイント押し下げると予想している」と指摘。「計画停電の影響を受ける省の工業部門はシェアは、合計でGDPの約14%を占める」と述べた。