暴力を助長!?中国で「ウルトラマンティガ」一時削除 日本のエンタメ狙い撃ちも

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中国でカラータイマーが鳴った

中国の動画配信サイトから特撮番組「ウルトラマンティガ」の中国語版が一時削除され、視聴できなくなった。当局が暴力的シーンを問題視し、規制に乗り出したとの見方がある。中国メディアによると、削除は24日。ファンから「子供から夢を奪うなんて怪獣のようだ」と嘆く声が相次ぎ、27日午後に再び視聴可能となった。いったい、中国で何が起きているのか。

24日、動画配信大手、愛奇芸(アイチーイー)などで「ティガ」が、一斉に表示されなくなった。短文投稿サイト、微博(ウェイボー)で「ティガ削除」の検索数が急上昇するなど注目を集めた。

一時削除された理由は不明。中国でメディアを管理する国家ラジオテレビ総局はこのほど「暴力や血なまぐさい」シーンのあるアニメ作品を「断固阻止する」方針を示した。江蘇省当局が未成年の成長に影響を及ぼす可能性があるとして4月に公表した作品リストに「ティガ」が入っており、関連が指摘されている。

中国政府は最近、娯楽分野での規制や思想統制を強めている。ウルトラマンシリーズは中国でも人気が高く、インターネットには「こうした措置は中国の発展に有利なのか」と不満が殺到。反響の大きさのためか、再び視聴できるようになった。

複数の中国メディアによると今年4月、消費者の権利や利益を保護することを目的に組織された「公的組織・消費者権益保護委員会」が中国国内の一般家庭にアンケート調査を行った。

その結果、ティガ、アニメ「神様になった日」や「名探偵コナン」について、内容に暴力的で残酷なシーンが含まれているとして苦情が寄せられたという。中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。

「消費者権益保護委員会は今回のことについて、あくまでもアンケート調査や委員会とは関係なく、サイト側が自主的に行った行為だとしています。中国国内のネット上では一時削除に対し『視聴者の年齢などを考慮せず一方的に削除するとは納得がいかない』『子供の幼稚園ではウルトラマンのマネをして同級生をたたく子供がいるので今回の措置には賛成だ』など賛否両論の意見が寄せられています」

日本では、映画には「PG12(12歳以下が視聴する際に保護者の助言が必要)」「R15(15歳未満は視聴禁止)」などのレーティングがあるが、子供にどんなテレビ番組を見せるかは家庭で決めるものだ。

ここのところ、中国ではアイドルオーディション番組の禁止、中性的外見の男性アイドルの出演制限、未成年者のオンラインゲームのプレー時間制限制度およびネット上での投げ銭禁止などを発表してきた。

周氏は「エンタメ文化への規制が非常に厳しくなってきました。こうした方針まで政府や当局に任せることは、将来的に自分たちの自由を制限する結果となるのではないでしょうか。また、今回の件で制限のターゲットがいよいよ日本にも向けられていることが分かりました」と指摘している。巨大市場から締め出されることにならなければいいが…。