東京五輪総括 橋本聖子会長「コロナと戦いつつ、社会の営みを継続するモデルを示せた」

橋本聖子会長(ロイター)

東京五輪・パラリンピック組織委員会は28日、都内で理事会を開催。東京大会の総括と報告が行われ、新型コロナウイルス感染症の専門家によるラウンドテーブルも開かれた。

冒頭あいさつで橋本聖子会長(56)は東京大会を「新型コロナという未曽有の困難の中、大会の1年延期、原則無観客という異例ずくめ」と表現した上で「開催前に様々な声があった中、開催を信じ、努力を続けてくださったアスリートの皆さん、様々な制約にも関わらずこれまでの大会と変わらず躍動し、感動や希望を届けてくれた各国選手団の皆さんの力があったからこそと思っております」と話した。

五輪・パラ開催中は東京都の新規感染者は5000人を超え、開会式には大規模な反対デモも行われた。アスリートの活躍もあり、開催中は五輪開催への世論も変化。橋本会長は「世論調査では五輪は6割、パラリンピックは7割の方が『開催して良かった』と回答してくださった」とのデータを示しつつ「すでに国内外の皆様からポジティブな評価を多く頂く一方、課題の指摘や今後の対応が重要とする声も頂いております」と述べた。

一方、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長から「この五輪の後、日本人は世界中の人から称賛を受けるだろう。青写真もロールモデルもない中、大会を実施し、歴史を作った」、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長から「東京でなければこの大会は成し遂げられなかった」と賛辞があったことも明かした。

さらに、橋本会長は「結論としまして」と前置きした上で「大会のコロナ対策は機能し、コロナ禍での最初の世界的イベントとしてコロナと戦いつつ、社会の営みを継続する一つのモデルを示すことができたのではないか」と私見を口にした。

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