【新型コロナ】神奈川県立高教諭「本来の学校に」 宣言解除で通常授業再開

 「ようやく本来の学校に戻れる」。神奈川県立高校の50代の男性教諭は、緊急事態宣言の解除に伴う通常授業と部活動再開を歓迎した。一方で、宣言下では制限されていた授業や部活動について「実力差が開いてしまう」と振り返った。

 分散登校を実施している県立高校では、授業は対面式とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド型」で進めてきた。学びを止めまいと取り入れられたオンライン授業だが、内容を理解する生徒が難なくこなす半面、「理解度の低い生徒が『分からない』と声を上げにくく、教師も気付きにくい」との課題に直面していたという。

 男性教諭は野球部の指導者も務め、グラウンドでも「(他校との)差を埋めることに苦戦した」。県教育委員会は部活動を原則中止とし、公式戦を控えるチームについては試合の14日前から活動を認めていたが、同校は8月下旬の秋季県大会地区予選で敗退。大会前の練習日も分散登校で選手がそろわずに連係プレーの確認さえできないなど、もどかしい日々が続いていた。

 「感染拡大を防ぎ、生徒たちを守ることが大前提」と語る男性教諭は、「感染対策と学校活動をどう両立するか。現場でも考えていきたい」と話した。

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