森保ジャパンを追い詰める「救世主トリオ不在」「完全アウェー」「人気低迷」の〝三重苦〟

三重苦の森保監督は他の選手に奮起を促すが…(東スポWeb)

崖っ縁の森保ジャパンは〝三重苦〟の中でW杯切符をかけた天王山に臨む。日本サッカー協会は28日に10月に行われるカタールW杯アジア最終予選のサウジアラビア戦(7日、ジッダ)とオーストラリア戦(12日、埼玉)に臨む日本代表メンバー25人を発表した。森保一監督(53)の解任論がくすぶる中での強豪との2連戦は、多くの難問を抱える厳しい戦いとなる。

まず指揮官の頭を悩ませているのが〝救世主トリオ〟の不在だ。中国戦で活躍したMF久保建英(マジョルカ)とFW古橋亨梧(セルティック)が負傷で招集外となり、次戦のサウジアラビア戦はMF伊東純也(ゲンク)も出場停止。まさに緊急事態だ。

森保監督は「久保や伊東など出場できない選手よりも『俺がやってやろう』とか、実力のある選手がいると思う。出場する選手たちに力を出してほしい」と他のメンバーに奮起を促したが、今回の招集で特に目新しい選手はおらず、代わりのメンバーが起爆剤になるかは微妙なところだ。

また、現在2連勝中の強豪サウジアラビアとの一戦は〝完全アウェー〟となることが判明した。反町康治技術委員長は同戦について「(試合開始の)時間はまだ分からない。夜でも遅い時間と早い時間で気温や湿度が違う」と気をもんでいる。相手はいまだ試合開始時間を定めておらず、日本が中東特有の暑さを苦手にすることを狙って〝揺さぶり〟をかけてくる可能性もある。

さらに「スタジアムは(最大収容人数の)60%入ると聞いている。5万人収容なので、完全アウェーという形になる。(観客は)マスクをしているかというと、そうでもない感じ。日本みたいに手拍子だけで(応援を)やるのではなく、我々にとってはアウェー感が強くなるのでは」と警戒感を強めた。新型コロナウイルス禍にもかかわらず3万人の大観衆が集まり、しかも日本では感染対策のためご法度の声援なども〝解禁〟される見込み。久しぶりに中東の過酷なアウェーの雰囲気を強いられることになる。

さらに、森保ジャパンの深刻な人気低迷もイレブンに重くのしかかる。テレビ朝日が中継した初戦のオマーン戦の平均視聴率は13・1%だったが、これはフランス大会以降の最終予選のホーム初戦としてはダントツで最低の数字。人気低迷が危惧された前回ハリルジャパンのUAE戦でさえ17・2%を記録しており、お茶の間の〝サッカー代表離れ〟は危機的状況だ(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)。

今回の最終予選はホーム戦のみ中継するテレ朝では高額な放映権料を払っていることもあり「こんな数字じゃ、とてもじゃないが元を取れない」と同局関係者からは嘆き節が聞こえてくる。9月の活動時には主将のDF吉田麻也(サンプドリア)も「いろんなものを背負っている。サッカーの人気だったり」と悲壮な思いを口にしており、選手たちにかかる重圧はとてつもなく大きい。

追い詰められた森保ジャパンは火事場のバカ力を見せられるか。

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