“アニメーションは子どもが見るもの”と思っていた大人たちも魅了した「シンビアパート」

© 株式会社エスピーオー

視聴者だけでなく、アニメーション関係者からも高い評価を得てシリーズ1を終えた『シンビアパート』は、2017〜19年にシーズン2、2020年にシーズン3が放送される長寿シリーズとなり、4年間全子供番組の中で視聴率1位を獲得。今春放送されたシーズン3最終回では、キッズチャンネル Tooniverse(トゥーニーバス)でも歴代最高視聴率10.2%を記録し、地上波ドラマでも2桁視聴率獲得が難しいテレビ業界を驚かせました。

2019年には「大韓民国コンテンツ大賞」の文化体育観光部長官賞で、アニメーション部門とキャラクター部門をダブル受賞する栄誉に輝きました。シーズン2、3では新たなトッケビ「クムビ」や退魔師集団「アイギス」など新たなキャラクターも加わって世界観もますます広がり、韓国で9月16日から放送が始まったシーズン4も初回から高視聴率を記録しています。

「シンビアパート」は、テレビの枠を超えた幅広いメディア展開でも、業界をリードしてきました。2018年と19年には、新たなストーリーによる劇場用映画が公開され、それぞれ65万人、89万人を動員する大ヒットを記録。テレビのエピソードを舞台化したミュージカルも、4作にわたって上演。高校生になったハリたちの日常と恋を実写で描いたドラマ「シンビアパート外伝:記憶、ハリ」もシーズン3まで放送されました。

ⓒ CJ ENM Co., Ltd. All Rights Reserved.

他にも、モバイルアプリゲームは1,000万ダウンロードを記録、おもちゃやグッズ、VRコンテンツ等も人気を博しています。『ポンポン ポロロ』(2003〜)など、今までも映画化・舞台化で成功した作品はありましたが、これほど大規模なメディアミックスは、韓国では初めて。現在は、今冬公開を目指して劇場版第3弾が制作されているそうです。

現在日本のAmazonプライム・ビデオで配信されている日本語吹き替え版では、豪華声優陣にも注目! 主人公シンビの声は「ヘボット!」(2016〜2017)、『メイドインアビス』(2017)などに出演し、twitterのフォロワー数約10万人を誇る、人気声優の井澤詩織さんが務めています。

そのほか、ヒロインのハリ役を人気ゲーム「ウマ娘プリティーダービー」のタイキシャトル役の大坪由佳さんが、美少年ガンリムをアニメ「WAVE!!〜サーフィンやっぺ!!〜」(2020)の秋月ショウ役の小笠原仁さんが演じ、韓国版のイメージを完ぺきに再現しつつ、キャラクターに新たな命を吹き込んでいます。

また人気K-POPガールズ・グループOH MY GIRLが、エンディング曲「Ma Friend」でOSTに参加。本編の後、イメージカットとともに流れる軽快なメロディとキュートな歌声が耳に残ります。

ドラマを中心に、日本でもすっかり定着した韓国の映像コンテンツ。アニメーションも「ポンポン ポロロ」や「ロボカーポリー」など幼児向け作品は日本でもおなじみですが、それ以外はまだよく知らない……、という人も多いのでは? 

子どもたちはもちろん「アニメーションは子どもが見るもの」と思っていた大人たちも魅了した「シンビアパート」が、韓国アニメーションの世界への扉を開けてくれますよ、きっと!


Text:田中恵美(ライター・編集者)

Edited:佐藤結(ライター)