メッツ・シンダーガードが戦列復帰 デグロムは復帰せず今季終了へ

日本時間9月29日、トミー・ジョン手術からの戦列復帰が遅れていたノア・シンダーガード(メッツ)がようやくメジャーのマウンドに戻ってきた。マーリンズとのダブルヘッダー第2試合に先発し、わずか10球で1イニングを無失点。2つの空振り三振を奪うなど、上々の復帰登板となった。一方、右前腕の張りで戦列を離れているジェイコブ・デグロム(メッツ)は復帰しないままシーズンを終えることに。ポストシーズン進出の可能性が消滅した今、無理に復帰させるのは得策ではないとの判断が下されたようだ。

シンダーガードがメジャーのマウンドに立つのは2019年9月29日(現地時間)のブレーブス戦以来2年ぶり。この6ヶ月後に右肘のトミー・ジョン手術を受け、ようやく戦列復帰を果たした。先頭のミゲル・ロハスを96マイルの速球で空振り三振に仕留めると、続くジャズ・チザムJr.は89マイルのチェンジアップで二者連続の空振り三振。ブライアン・デラクルーズは90マイルのチェンジアップを打たせてサードゴロに仕留め、本拠地シティ・フィールドの大歓声に帽子を取って応えた。

一方のデグロムは今季中に再びマウンドに立つ可能性がなくなった。ルイス・ロハス監督は「みんなが全面的に賛成している。デグロムも納得しているし、これは正しい判断だ」とコメント。すでに投球練習を再開してはいるものの、まだ打者と対戦する段階には至っておらず、マイナーでのリハビリ登板も行っていない。戦列復帰の準備が整った状況ではなく、ロハスは「現時点では彼が登板する意味はない」とポストシーズン進出の可能性が消滅しているチーム状況も踏まえ、復帰させないことを決めた。

2年ぶりの戦列復帰を果たしたシンダーガードと今季中に復帰しないことが決まったデグロム。この扱いの違いは、シンダーガードが十分な時間をかけてリハビリを行ってきたことも理由の1つだが、今季終了後にシンダーガードがFAになることも関係しているとみられる。シンダーガードには今季中に復帰してメジャーレベルのピッチングができることを証明するモチベーションがあったというわけだ。

今季のデグロムは15試合に先発して92イニングを投げ、7勝2敗、防御率1.08、146奪三振、WHIP0.55という歴史的な成績をマーク。シーズン途中までサイ・ヤング賞レースのみならず、MVPレースでも先頭を走っていたが、身体のあちこちが悲鳴を上げ、シーズンを完走することはできなかった。

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