端末パスワード推測容易 長崎県教委 市町教委に改善求める

 学校が配備した端末のチャット機能に悪口が書き込まれるなどのいじめがあったとして、昨年11月に東京都町田市立小6年の女児=当時(12)=が自殺した問題を受け、長崎県教委は28日、全21市町教委に端末パスワードの設定状況を確認したところ、2割程度の市町で他人が推測しやすい設定になっていたと明らかにした。県教委は当該市町に改善を求め、一部は再設定を終えたという。
 定例県議会文教厚生委で中村泰輔委員(改革21)の質問に加藤盛彦県教委義務教育課長が答えた。
 9月中旬に各市町教委に聞き取りを実施。「公表を前提としていないので当該市町など詳細は回答できない」としている。
 女児の自殺問題では、端末利用に必要なパスワードが全児童共通だったため、「成り済まし」が容易だったなどの指摘がある。同課によると、県内市町でも共通だったり、出席番号から推測できたりするケースがあったという。県立高校については、全生徒が異なるパスワードを使用しており「成り済ましはできない状況」とした。
 加藤課長は「1人1台の端末を配備する『GIGAスクール構想』は情報モラルの育成も大きな目的。(各市町と意見交換し)より安心して子どもが活用できる状況を目指していく」と述べた。

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