福祉と企業の”コラボ” じゃがいもドレッシング開発 チョーコーが商品化

商品化されたドレッシングとラベル

 長崎市の住吉中園商店街にある障害者の就労支援事業所「たまご」が企画した「幸せ運ぶ白のまちドレ じゃがいもドレッシング」が、チョーコー醤油(同市)で商品化された。事業所の利用者が、レシピやラベルのデザインなどのアイデアを出し合って生まれた福祉と企業のコラボ商品。来月13日から同商店街などでの販売を目指す。
 「たまご」の利用者は20人。「縁でつながるまちづくり」を掲げ、これまでも同商店街のロゴマークをデザインし、市立長崎商業高の生徒と一緒に商店主の紹介ポスターをつくるなど、社会と積極的に関わってきた。
 ドレッシングづくりには、同校とチョーコーが商品開発したことを参考に昨年11月から取り組んだ。県産のジャガイモを使って県産品を応援する思いを込め、事業所の台所でレシピを考案。同社のアドバイスや商店街で試作を販売した際の感想を反映させ改良した。同社が福祉施設と商品開発したのは初めてという。
 完成品は、すりおろしたジャガイモとタマネギに隠し味でベーコンエキスを入れた。長崎の異国情緒を表そうとイタリアのチーズを加えてコクを出した。ラベルには出島やジャガイモ、ドレッシングのキャラクターをデザインした。1本200ミリリットル、562円。
 23日に同社大村工場で約2千本を製造。27日に同工場と事業所をオンラインで結び、社員から出来上がる工程などの説明を受けた。今後、事業所でラベル貼りに取り組む。利用者の丹羽理浩さん(54)は「僕たちが作ったものが形になってうれしい。生野菜に合わせて食べてほしい」と笑顔。「たまご」の中原圭子代表理事は「利用者は自信を持つとどんどん元気になる。社会とつながる働き方をこれからも進めていきたい」と語った。

チョーコー醤油大村工場とオンラインでつなぎ、製造工程の説明を受ける利用者=長崎市住吉町、就労支援事業所「たまご」

© 株式会社長崎新聞社