シャルル・ミレッシがトヨタGR010ハイブリッドを初ドライブへ/WECバーレーン・ルーキーテスト

 WEC世界耐久選手権は9月28日、最終戦翌日の11月7日にバーレーンのバーレーン・インターナショナル・サーキットで行うルーキーテストに参加するドライバーを発表した。ヨーロッパ・スポーツカー界のホープであるシャルル・ミレッシ、そしてローレンツ・ホアという2名が選出されている。

 WECは毎年恒例となっている最終戦後のルーキーテストにおいて、“模範的なパフォーマンスとレーススキル”により選ばれた若手ドライバーに対し、ハイパーカークラスとLMGTEプロクラスのチャンピオンカーにおける、最低30周のテスト機会を提供している。

 今回、ミレッシには(タイトル獲得が確定的な)トヨタGR010ハイブリッドをテストするチャンスが与えられ、ホアにはポルシェ911 RSR-19またはフェラーリ488 GTE Evoをドライブする機会が与えられる。

 なお、このテストにはシリーズに参戦する他のチーム・ドライバーも参加可能で、5時間のセッションが予定されている。

 20歳のフランス人、ミレッシは2019年に全日本F3選手権にフル参戦。翌年には全日本スーパーフォーミュラ選手権にも出場した。2020年にELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズとル・マン24時間でLMP2デビューを果たした後、2021年はLMP2クラスのチームWRTにおいて初のWECフルシーズン参戦を果たしている。

 8月の第4戦ル・マン24時間レースでは、ロビン・フラインス/フェルディナンド・ハプスブルクとともに、最終ラップでの劇的な大逆転によりクラス優勝を遂げた。3人はバーレーンでの第5・6戦を前に、LMP2クラスのポイントランキングで首位に1ポイント差の2位につけている。

「ハイパーカーをドライブできる機会に、そして今年のル・マンで優勝したことに、本当に満足している。信じられないほどだ」とミレッシは語っている。

「ここまで素晴らしいシーズンを過ごしてきたので、まずはWRTに感謝したい。そしてこの素晴らしい機会を与えてくれたACO、WEC、トヨタに感謝する」

2021年ル・マン24時間レースのLMP2クラスを制したチームWRT31号車オレカ07・ギブソンのロビン・フラインス、シャルル・ミレッシ、フェルディナンド・ハプスブルク

 24歳のドイツ人であるホアはLMP3カテゴリーで傑出した成績を残しており、直近の3連勝のおかげで現在ELMSのクラスランキング2位につけている。また、ミシュラン・ル・マン・カップではDKRエンジニアリングで2019、2020シーズンのタイトルを獲得、2月のアジアン・ル・マン・シリーズでもDKRに加わっていた。1月のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のデイトナ24時間レースでは、新設されたLMP3クラスにミュルナー・モータースポーツから参戦していた。

 初めてハイパーカークラスのマシンをドライブするミレッシとは異なり、ホアは2019/20シーズンのWECにおいて、LMGTE車両をドライブした経験を持つ。このシーズン、ホアはふたつのイベントでチーム・プロジェクト1のポルシェ911 RSRからLMGTEアマクラスに出場している。

「今年のルーキーテストに選出されてとても嬉しいし、感謝している」とホア。

「人々が僕のパフォーマンスをひとりのドライバーとして評価してくれていると知ることは、僕にとって大きな意味を持つ。これまでファクトリーチームとともに仕事をしたことがないので、このチャレンジができることにとても興奮している」

2021年のWECルーキーテストで、LMGTEプロクラスの車両をドライブすることになったローレンツ・ホア

 WECのCEOであるフレデリック・ルキアンは、次のようにコメントしている。

「これらの才能ある若いドライバーにとって、世界最大かつ最も成功している自動車ブランドのいくつかを代表するチームに、彼らのスキルとプロ意識を披露する素晴らしい機会となる」

「我々のパドックで最も勤勉かつ最も生まれながらのスキルを持つ何人かのドライバーを助けることができるのは常に素晴らしいことであり、シャルルとローレンツがバーレーンでどのようなパフォーマンスを見せるのか、楽しみにしている」

2019/20シーズンの第4戦後に開催されたバーレーンでのルーキーテストの様子

© 株式会社三栄