粟国村、工事補助金2000万円受けられず 手続きできず村負担 村長ら処分

 【粟国】沖縄県粟国村が2018年度に実施した村営製糖工場の機能増設事業が年度内の工期で完工せず、繰り越し手続きにも間に合わなかったため、国と県の補助金を全額受けられず、村が一般財源から2134万6千円を負担していたことが分かった。21日の村議会9月定例会で、城間成弘村議が村有フェリーの消費税未払いに伴う延滞税と加算税の総計約382万円を村財政から支出したことを問題視した際、村が過去にも同様の事例があったと明らかにした。

 村によると、当時の村長、副村長は1カ月、担当課長と担当職員も一定期間の減給処分を受けた。

 村は18年にサトウキビの枯れ葉などを落とす装置設置と施設建設の2工事を発注。施設建設は単価が合わず、同年10月に入札不調となった。12月に業者と契約し、3カ月の工期で施設を建設することとなった。補正後の総事業費は約1億4280万円。

 19年度の村議会6月定例会の会議録によると、村は計画段階から単年度事業として事業執行していた。だが3月20日ごろ、フェリーの欠航による資材搬入の遅れなどを理由に業者から「期限内には厳しい」と伝えられ、完工は4月以降にずれ込んだ。

 年度末に差し掛かっていたため、繰り越し手続きはできず、本来、全額補助金で支払われるはずだったが、出来高の87%は県、残り13%の約2千万円は村が負担することになった。

 粟国村では前村長時代の15~19年の5年間、村営フェリーの収益に対する消費税が未払いだったことが今年に入って判明するなど、行政手続きのずさんさが露呈している。村は一般会計からの繰入金で補正予算を組み、未払いの消費税と延滞税、加算税を納付した。

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