IR 雇用、観光客増に期待大 「効果ない」半数 佐世保商議所 会員企業アンケート

 佐世保商工会議所(金子卓也会頭)は、長崎県が佐世保市のハウステンボスへの誘致を目指す、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、会員企業へアンケートした結果を報告書にまとめた。雇用創出や観光客増加に期待する企業が多い一方で、「自社への効果は考えられない」とする企業が半数近くに上った。
 県は8月、IRの設置運営事業予定者を、オーストリア国有企業傘下の「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」に決定したと発表。同商議所は今月9~17日、会員企業3045社を対象にIRへの期待などに関するアンケートを実施し、625社から回答があった。
 報告書によると、IRに地域として期待できること(複数回答)という質問では、「雇用創出が見込まれる」との回答が416社で最も多かった。また、「インバウンド(訪日外国人客)以外の観光客増加」は274社、「新型コロナ収束後のインバウンド」は265社と、観光面への期待も大きいことが分かった。
 自社として期待できること(複数回答)という問いでは、「IR事業者との直接取引による売り上げ増加」と「二次的効果による売り上げ増加」が計353社で全体の49.4%を占めた。一方、「自社への直接的な効果は考えられない」との回答も339社に上り、全体の47.5%だった。
 同商議所は今後、IR事業に参入する企業の誘致推進や、参入企業への支援制度創設に関する行政への要望などを行う方針。

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