【スギHD2022年2月期 第2四半期決算】調剤待合室の拡大や健康サポートのための食品強化に取り組む

【2021.09.29配信】スギホールディングスは、2022年2月期上期決算説明動画を配信した。コロナ特需の反動減などにより増収減益となったものの、将来に向けた取り組みを着実に進めていると説明。同社社長の杉浦克典氏は、上期は特に調剤待合室拡大や、健康サポート機能を強化する意味での食品の拡充など、既存店の活性化に取り組んだと話した。

説明した杉浦社長は、決算概況について、前年に需要が拡大した衛生用品等の反動減のため営業利益は前年同期比−13.6%の161億円と苦戦したものの、売上高は同+4.0%の3149億円と増収基調は維持したことを報告。調剤事業は好調で、積極的な併設店舗の出店により2桁伸長の強い伸びとなったとした。

公式アプリのデジタル会員獲得やデジタル販促による費用対効果の改善、店舗間の人員配置の見直しなどを行ったものの、季節商品の低調や将来的な調剤事業の成長を見据えた採用強化に伴う人件費・仕入れに伴う消費税・キャッシュレス決済に伴う手数料などが利益を押し下げた要因にもなったとした。経常利益・当期純利益も前年同期実績を下回る結果となった。

出店状況については、上期で関西16店舗、関東13店舗、中部13店舗、北陸8店舗の50店舗を出店。退店は6店舗で、8月末時点の店舗数は1435店舗となった。調剤併設を主体とした出店により、調剤併設率は85.2%(スギ薬局事業のみ)となった。

杉浦社長は、「増収減益となったものの、成長に向けた取り組みを着実に進めている」とした。
改めて、同社の「トータルヘルスケア戦略」を説明。セルフケア領域から医療・服薬領域、介護・生活支援領域まで、どの健康ステージでも顧客と接点を持ち、リアルとデジタルを融合させ、最適なサービスを提供していくと説明した。「顧客の生涯価値向上のために志を共有できるパートナーと連携していく」とした。

また、上期の主な取り組みとして、既存店の活性化、製配販の連携、ESGの3つを紹介。

既存店の活性化では、調剤の待合室見直しに取り組んだとした。限られたスペースで動線が非効率になっている事例があるとして、待合室を拡大し、調剤室内のスタッフ動線の改善を進めているという。物販売り場に関しても健康をサポートするために重要な食品を強化することで、顧客接点を増やせると考えているとした。

製配販の連携では、ライオンとPaltacとの連携取り組みがサプライチェーンイノベーション大賞2021を受賞したことを報告した。今後の製配販の連携の鍵はDXにあるとし、同社のデジタル会員が増加していることや、同社内でデータ連携を可能にするインフラが整備されつつあるとし、「協業パートナーとともにデジタルマーケティングやCRM領域に積極的に打って出る時期にきた」と話した。今後も対象領域を広げ、新たな取引先とも協力し、サステナブルな取り組みを進めるとした。

ESGについては、「少子高齢化や地球環境問題の深刻化や価値の多様性、消費行動の変化といった社会の変化を見据え、価値を生み出す事業活動によって、地域社会への貢献を目指している」と説明した。

価値創造の源泉となる薬剤師・登録販売者・管理栄養士・ビューティーアドバイザーといった多数の専門家人材を中心に、新たな事業展開を含め顧客生涯価値の最大化をはかっていくとした。

加えて、コロナ下の活動として、同社は藤田医科大学病院でのコロナワクチンの調製支援を行っているとし、ドラッグストア・薬局の社会的インフラとしての責任の大きさを感じているとした。下期には本社を大府市のコロナワクチン接種会場として協力し、同社の薬剤師が支援する予定となっている。

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