【東京パラリンピック】高校生が製作したこん棒が贈呈 小谷SD「最高の瞬間を作り上げた」 

左から西沢直斗さん、小谷実可子SD(東スポweb)

東京五輪・パラリンピック組織委員会は29日、パラ陸上のこん棒投げ(F31)で世界新記録(28・74メートル)をマークしたルザ・コザコフスカ(ポーランド)が使用した「こん棒」を都立工芸高に贈呈した。

国内にこん棒を製作するメーカーがなかったことから、都立工芸高の生徒たちが約8か月かけて4種類計20本のこん棒を製作。そのうちの1本をコザコフスカが使用した。生徒たちの努力が世界新記録をアシストしたことを記念して、コザコフスカのサインが入ったこん棒を小谷実可子スポーツディレクター(SD)が代表の西沢直斗さんに手渡された。

かねてパラスポーツの普及に尽力してきた小谷SDは「みなさまの心のこもった作品がアスリートの最高の瞬間を作り上げた」と絶賛した上で「コロナ禍の限られた中でも、このような形で若い力で大会を支えていただいたことはすばらしいことだと思う。ありがとうございました」などと感謝の言葉を口にした。

西沢さんは昨年3月に卒業し、現在は千葉県内の会社で働いているが、東京パラリンピックのこん棒投げをテレビで観戦。「テレビの中でこのこん棒は都立工芸高の生徒が作ったとアナウンスをしてくださり、その言葉で本当に感無量だった。我々が授業の一環で作ったこん棒がパラリンピックの舞台に持ち出され、世界記録も出たことは製作者としてうれしいのひと言です」と声を弾ませた。

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