「お茶の花」を収穫 海洋高食品科学コース3年生 伝統の味「バタバタ茶」継承

 県立海洋高食品科学コースの3年生が、糸魚川の伝統の味「バタバタ茶」の継承活動に取り組んでいる。

「バタバタ茶」の原料の一つ「お茶の花」を摘み取る作業に励んだ海洋高生(美山公園内)

 課題研究としてマーケティング販売を学ぶ、同コースの生徒5人のグループが本年度から始めた。一昨年、会員の高齢化などにより25年の歴史を閉じた同市の有志団体「バタバタ茶の会」から教わり、専用の「夫婦茶筅(ちゃせん)」を使った茶のたて方や、塩を加えた独特の風味を体験。バタバタ茶を使ったスイーツ開発や原料のカワラケツメイも栽培している。

 数種類の原料のうち、同市大野の美山公園内に植えられている「お茶の花」が収穫時期を迎え28日、生徒と教職員が現地を訪れ、同会代表を務めた石田千枝子さん(75)に習って花を摘む作業を行った。商品開発や販売と合わせて継承活動に携わる地元企業の関係者も参加した。葉の裏で下向きに咲く丸みを帯びた小さな花を、のぞき込むようにして一つずつ丁寧に摘み取った。

 上越市出身の小倉吹樹さんは「バタバタ茶は授業で初めて知った。香ばしくておいしい。たて方も珍しくて若い人にも面白いと思う。広めたい」と今後の活動を楽しみにした。石田さんは「高校生が引き継いでくれてうれしい。卒業しても糸魚川を思ってもらえたら」と話した。

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