アントニオ猪木氏が藤原、長州、藤波との〝闘魂対談〟の模様を公開

ユーチューブチャンネルで対談したアントニオ猪木氏(右)と藤原喜明-(コーラルゼット提供)

闘病中のアントニオ猪木氏(78)が29日、自身のユーチューブチャンネル「最後の闘魂」で愛弟子3人と対面した模様を公開。「デビュー60周年3本勝負」と称し、藤原喜明組長(72)、長州力(69)、藤波辰爾(67)と対談した。

トップバッターは藤原だ。「長い〝お勤め〟ご苦労さまでした。どうですかシャバの空気は?」と花束を手渡された猪木氏は「俺たちが毎日地方でやった時は、毎日ワイドショーだよな」と新日本プロレス時代の昔話に花を咲かせた。

藤原が「毎日ぶん殴られて。恫喝は普通ですもんね。『お前らなんかやめちまえバカヤローー』みたいな。今は殴ったら大変ですね。つまらん世の中です」と振り返ると、猪木氏は「リングの横に竹刀があってさあ。さすがに木刀は使わなかったけどね」と懐かしそうな表情を浮かべた。

また猪木氏は「おだてるわけじゃないけど天才だったね、君は」と口にするや藤原は「ちょっともう一回」と依頼。猪木氏は「大きな声で言えないけどよう、君は…だよね」と無邪気に笑った。

その後、10年近く前に頻繁に深夜の六本木に猪木氏から呼び出された話や、1987年12月に両国国技館で暴動が起き、罰金を取られた話。同年3月大阪城ホール大会後ファンが宿泊先の旅館まで押しかけて暴れた話、同年10月にマサ斎藤と戦った巌流島決戦の話題で盛り上がった。

また猪木氏は「プロレスのルールもスタイルも変わったし、リングで勝負する人間の心も違うし。俺がひと言だけ言いたいのは『ファンに媚びるな』。昔は見たくないやつは見に来るなと。そのくらいいきがっていた。今はファンに媚びている」と訴える場面も。最後は「酒もまた飲めるように復活するから。いい酒飲もうよ」と約束した。

2番手は長州だ。「何年たっても緊張しますね。まさか会長とユーチューブをやるとは」と登場した革命戦士とは、90年のイラク人質解放の話題に。長州は「その時代に会長のそばにいると伝わってこないというか。離れてきて、会長のやり遂げたことは僕たちにできるとか言えば無理ですね」と改めて当時の猪木氏に行動力に感服した様子だ。

最後は藤波だ。藤波にとって初めての海外がタンザニアのジャングルで、付け人を務めた猪木氏置いてけぼりにされた話で盛り上がった。当時の記録はほとんど残っていないそうで猪木氏は「ああいうのを全部残しておけば」と悔やんだ。

藤波は「デビュー50周年になりましたので、また気合を入れてほしいです」と依頼し、2人は恒例の「1、2、3、ダァーッ!」で締めくくった。

3人との対談を終えた猪木氏は「長州、藤波、組長が頑張っているのでうれしく思ってますよ。今回も生かされたというのが実感かな。しかしこんなに試練を与えてくれるなと。何とか誰か連れていってくれというのがあったんだけど、こうして役割をしっかりと進めていきたいと思っています」と総括した。

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