東証1部(株)タクマの子会社カンポリサイクルプラザが特別清算へ

※画像は実際の企業と関係はありません

 カンポリサイクルプラザ(株)(TSR企業コード:641524145、法人番号:4130001034872、京都府南丹市園部町高屋西谷1、設立1999(平成11)年4月、資本金4億円、中川英信社長)は10月に解散し、2022年1月に特別清算を申請する予定。
 9月29日、親会社の(株)タクマ(TSR企業コード:570111021、法人番号:4140001053517、兵庫県尼崎市、東証1部)が公表した。
 負債総額は約79億円で、大部分がタクマからの借入金等が占める。

 ボイラーなどプラントメーカーのタクマと、地元を中心に産業廃棄物収集運搬・処理を手掛ける(株)カンポ(TSR企業コード:641109490、法人番号:5130001014163、京都市伏見区)が50%ずつ出資して設立。一般廃棄物や産業廃棄物など数多くの廃棄物の処理・リサイクルを手掛けていた。
 当社の複合型リサイクル施設は、廃棄物の処理・再生のみならず、その過程で生じる熱エネルギーも活用する次世代型の総合リサイクルプラントとして知られ、本社敷地内にサーマルリサイクル施設と呼ばれるプラントのほか、バイオリサイクル施設、廃家電リサイクル施設なども備えていた。近隣の自治体のほか大手企業などから廃棄物の処理を受注し、2005年3月期には売上高15億4331万円を計上していた。
 しかし、2006年11月に一部の焼却炉にて基準値を上回るダイオキシン類が検出され、一時稼働を停止。2008年3月期は売上高約5億円に減少し、約13億3400万円の赤字となり、債務超過に転落した。
 2008年秋には再稼働し、同時期にはタクマが当社株式の80%を保有し、体制強化に努めていたが、その後も赤字決算が散発した。
 業績回復が遅れるなか、設備の老朽化問題も重なり2019年3月末をもって廃棄物の受け入れを取りやめ、事業を停止。以降は施設の撤去などを進め、一定の手続が完了したことから当社を解散し、特別清算を実施することを決議した。
 なお、タクマは当社向け貸付金など78億円が取立不能のおそれがあるが、過年度に会計処理済みで、2022年3月期の連結、個別ともに業績に与える重要な影響はないとしている。

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