自民党総裁の菅義偉首相(衆院神奈川2区)は29日、総裁選後の党大会に代わる両院議員総会で退任のあいさつを行った。早くから支持を表明していた河野太郎行革担当相(15区)が苦杯を喫し、最後まで選挙の弱さを拭えなかった。
「岸田文雄新総裁の誕生、心からおめでとうございます」と切り出した首相は、「3候補のご健闘を…」の部分でしばし声を詰まらせ「…たたえたいと思います」と続けた。
総裁選を「素晴らしい論戦を展開し、自民党の底力を国民に示してくれた」と総括。「日々、総選挙も迫ってきている。岸田総裁の下で結束して勝ち抜こう」と呼び掛けた。
首相は就任以来、4月の衆参3補選・再選挙に全敗するなど選挙で苦戦。8月の横浜市長選では盟友の小此木八郎元国家公安委員長を応援したが野党系候補に敗れて政局となり、自身の総裁選再選出馬を阻む一因となった。
河野氏を応援した議員は「『横浜市長選の二の舞になる』との他陣営からの前評判ややゆを跳ね返すことができなかった」と悔やんだ。