<レスリング>10代で世界選手権初出場の尾﨑野乃香(慶大)と藤波朱理(三重・いなべ総合学園高)が決意表明

 

オンライン取材に応じる尾﨑野乃香(慶大)

 世界選手権(10月2~10日、ノルウェー・オスロ)へ向けての出発を翌日に控えた9月29日、10代で出場する女子62kg級の尾﨑野乃香(慶大)と53kg級の藤波朱理(三重・いなべ総合学園高)がオンラインで報道陣の取材に応じ、世界一奪取への思いを話した。

 尾﨑は「優勝を意識して練習してきたので楽しみ。いい感じに仕上がっています」と言う。オリンピアンもエントリーしている状況に、「私はまだ18歳。伸び伸びやりたい。自分のスタイルは攻めるレスリング。タックルで倒してグラウンドにつなげたい」との希望を話した。

 エントリーの中には、東京オリンピックの62kg級で川井友香子(サントリーグループ・ジャパンビバレッジ)と決勝を争ったアイスルー・チニベコワ(キルギス=2019年世界選手権優勝)の名前もある。オリンピックをテレビで見たチニベコワの感想は「力が強く、返し技も得意」。それに対応した練習をしてきたそうで、対策はできている様子。どのくらいパワーがあるかは、闘うまで分からないが、「力負けはしないと思う」と言う。

 外国選手は平均して構えが高いので、自分の持ち味である低いタックルに入り、グラウンドへの展開という勝ちパターンを描いており、「今まで練習してきたことをすべて出し、優勝して帰ってきたい」と話した。

オンライン取材に応じる藤波朱理(三重・いなべ総合学園高)

 チームで唯一、高校生として出場する藤波は「今はワクワクしています」と話し、緊張はまったくないことを強調。昔は緊張するタイプだったそうだが、ずっと負けていた選手に勝ったのを機に、それが自信になったのか試合が楽しくなり、試合に向けて緊張することがなくなったそうだ。

 8月のインターハイで優勝した後、試合展開を楽にするためグラウンドの強さを身につけたいことを口にしていた。その後の練習でも、グラウンドを意識して練習できたとのこと。

 東京オリンピックで金4個を取った日本女子について、「すごい」と思いつつ、「3年後は自分もそうなりたい、と思った」と、後に続く気持ちを強く持つことにつながった。53kg級で金メダルを取った向田真優(ジェイテクト)の試合からは、「攻めるレスリングは強いんだな、と感じた」と言う。

 兄(勇飛)は2017年世界選手権で銅メダルを取っている。「世界選手権は盛り上がりが違う。楽しいよ」と伝えられているそうで、「コロナのため、どれだけの盛り上がりかは分かりませんが、動画でしか見たことのない舞台に立てるのは楽しみ。絶対に勝ちたいという思いでいっぱいです」と、世界最高の舞台へ向けて盛り上がる気持ちを話した。

 女子は10月4日(月)から始まり、尾﨑は4日、藤波は5日に出場する(各翌日がファイナル)。

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