9月24日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では金曜コメンテーターのエコノミスト・会田卓司氏と寺島尚正アナウンサーが、台湾がTPP加盟申請を発表したことについて議論を展開した。
台湾のTPP加盟申請に中国は反発
台湾当局は9月23日にTPP(環太平洋経済連携協定)への加盟申請を行ったと正式に発表した。
TPPを巡っては中国が同月16日に加盟申請を行ったと公表したばかり。台湾としては中国に加盟申請で大きく遅れると加盟が困難になると見て、申請手続きを急いだという見方もある。
「台湾としては、中国が先に加盟すると不利になる、と考えたということでしょうか?」(寺島アナ)
会田氏は「台湾の貿易総額に占めるTPP加盟国の割合は24%以上になっていますので、この地域から締め出されると問題が大きくなるので、手を打ったのだと思います」とコメント。
台湾の通商交渉のトップは記者会見で「中国はいつも台湾の国際社会との連携を阻もうとしてきた。もし中国が先にTPPに加盟してしまえば、台湾のTPP加盟は不利になることが予想された」と語っている。
一方の中国外務省の副報道局長は「台湾がいかなる公的な性質を帯びた協定や組織に参加することにも断固反対する」と発言。
寺島アナは「中国の反発はくるだろうな、というのはわかっていましたが、どういう印象をお持ちですか?」と会田氏に意見を求めた。
「台湾の加盟阻止に向けた関係国への外交的な働きかけを中国は今後強めてくると思います。TPPは日本やオーストラリアが主導していますので、アメリカとの同盟国が多い経済圏に台湾が先に加わりますと、台湾を国として扱う動きが加速しかねないという懸念があるのだと思います。ただ、台湾はTPP加盟国の数カ国とFTA(自由貿易協定)をすでに結んでいますから、あくまでこれは貿易交渉として進めていくのだと思います」
日本では、茂木敏充外務大臣が「台湾の申請を歓迎したい」と表明。しかし、中国との貿易関係上、TPP加盟国の間でも台湾の加盟申請の受け止め方には温度差もあるようだ。