丸紅、英国eVTOL開発企業と業務提携 エアモビリティの新規事業創出へ

丸紅株式会社(以下、丸紅)及び子会社である丸紅エアロスペース株式会社は、eVTOLの開発を進める英国Vertical Aerospace Group Ltd.(バーティカル エアロスペース 以下、Vertical Aerospace社)と業務提携契約を締結した。9月24日付のプレスリリースで明かしている。

エアモビリティは、次世代の移動手段として世界で注目を集めている。2019年末時点での旅客機の運航機数が約2万4千機だ。これに対し、エアモビリティの将来的な運航機数は、約10万機に達する見込みといわれている。 機体の開発や認証、運航に関わるルール作りが欧米を中心に急速に進められている。

日本でも、経済産業省が「空の移動革命に向けたロードマップ」を発表した。この発表において、2023年以降にエアモビリティによるヒトやモノの輸送の商業化が目標として掲げられている。eVTOLは電動であり、温室効果ガスの排出が化石燃料を使用する従来の航空機と比較して格段に少ない。このため、航空業界における気候変動対策に大きく寄与すると考えられている。

同契約の目的は、エアモビリティ分野における新規事業の創出だ。日本国内における市場調査や事業参画検討の推進を共同で実施する。

Vertical Aerospace社は、英国政府からの支援を受けている。さらに、欧州航空認証機関との連携や世界トップ企業との業務提携により、eVTOLを開発中だ。SPAC(特別買収目的会社)との合併による米国での上場計画や、エアライン・航空機リース会社からの最大1000機の受注実績がある。

丸紅は、航空業界におけるネットワークや多角的な事業活動を通じて培ったノウハウを活用する。運航に必要なエコシステム形成など日本でのエアモビリティの実装に向けた取り組みをVertical Aerospace社と連携して推進。空の移動がより安全で身近になる社会を創造すると同時に、低炭素化・脱炭素化を含む気候変動対策に貢献するという。

(出典:丸紅 Webサイトより)

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