ホンダの絶版車、中古車相場は今いくら!? S660オーナーも気になる! ホンダ絶版車 中古車相場の行方

先日、勢い余って契約してしまったS660が、半年の時を経て納車された筆者。実は若かりし頃にCR-X SiR(EF8)やシビックタイプR(EK9)に乗っていたことがあり、もう一度ホンダのスポーティな走りを楽しみたいという気持ちがあったこともその一因だった。実のところ、当時憧れた90年代~00年代のホンダスポーツも候補に挙がっていたのだが、その高騰ぶりたるや気軽に購入できるレベルではなかったのである。そこで今回は、そんなホンダ絶版車の今をチェックしてみよう。

ホンダ S660 α[2020年1月10日]

今見ても新鮮な格好良さ!“サイバースポーツ”「CR-X」[2代目・EF系:1987年~1992年]

ホンダ CR-X[2代目・EF系:1987年~1992年]

まずは過去の筆者の愛車でもあるCR-Xから。いわゆるサイバースポーツCR-Xと呼ばれた2代目モデルで、シビックがベースとなっているが、ショートホイールベース化や大胆に切り落とされたリアセクションなど、より走りに振ったモデルとして人気が高かった。

後期型にマイナーチェンジするタイミングで、シビックと共に当時最強と歌われたリッター100馬力を達成しなNAエンジン、B16A型を搭載したグレードを設定したことで、その人気を不動のものとしたモデルである。

すでに登場から20年以上が経過したモデルということもあり、掲載台数は20台弱と少なく、逆に価格は100万円を切るものは皆無。しかもSiRではなく、1.5リッターモデルでもその価格となっている。

高いものでは200万円を軽々と超えるものも多数あり、それがバーンファインドものかと言うとそういうわけでもなく、修復歴ありだったり、走行距離が10万キロオーバーといった状態。さすがに希少なモデルとはいえ、気軽に手を出せるレベルではなくなってきている。

タイプR伝説の始まりはここから!「シビックタイプR」[初代・EK9型:1997年~2001年/2代目・EP3型:2001年~2005年]

ホンダ シビック タイプR[初代・EK9型:1997年~2001年]

続いては初代のシビックタイプR。当時は新車で200万円を切る価格で購入できた(装備充実のタイプR・Xは200万円超だったが)ホットモデルであり、価格的にはS15シルビアのNAモデルと同等の価格帯で購入できるものだった。

一時期は中古車として安ければ50万円ほどで購入することもできたEK9型シビックタイプRであるが、気づけばタマ数も減少し、それと反比例するように価格は上昇。現在では最も安いものでもおよそ160万円といった状態で、高いものでは400万円を超えるものも珍しくないといった状態となっている。

ホンダ シビック タイプR[2代目・EP3型:2001年~2005年]

また、シビックタイプRの中では比較的影に隠れた存在となっていた2代目のEP3型もジワジワと価格を上げてきており、現状ではギリギリ100万円を切るものが存在するレベル。一方、状態のよいものは新車価格の220万円を超えるものも存在している。

上物は800万円まで高騰! FRオープンカー「S2000」[1999年~2009年]

ホンダ S2000[1999年~2009年]

29年振りに復活したホンダのFR車として高い注目を集めたS2000は、量産エンジンでありながら許容回転数9000回転を誇り、2リッターで250馬力を絞り出すF20C型エンジンを搭載し、クローズドボディ並みの剛性を誇るハイXボーンフレーム構造を採用したことで、ピュアスポーツカーという評価を得た1台。

それだけに登場時の価格はおよそ350万円~400万円となっており、もう少し中古車として価格がこなれてきたら購入しよう、と思っていた人も多かったのではないだろうか?

しかし、S2000は底値らしい底値を迎える前に中古車価格は上昇に転じ、現在では初期型の過走行車でも200万円ほど、最終型に近い状態の良いものでは800万円台ものプライスタグを掲げている。

最終型は2009年で、当時の新車価格は最も高いものでも399万円だったことを考えると、わずか10年ほどで倍の価格になったことになるから、思わず背筋が寒くなるほどの勢いと言えるだろう。

買うなら今! そろそろ高騰の予感…「アコード ユーロR」[7代目・CL7型:2002年~2008年]

ホンダ アコード ユーロR[7代目・CL7型:2002年~2008年]

ランエボやインプレッサと同じく、家族が増えたことでドアの枚数も増やさなければならなくなってしまった人の隠れ蓑として選ばれることが多かったアコード ユーロR。ランエボやインプレッサほどのいかつさもないため、改心(?)した風を装うにはピッタリの1台だ。

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しかし、心臓部はタイプR譲りの220馬力を発生するK20Aエンジンに、6速MTの組み合わせ。足回りもタイプRほどハードではないが、伝統の前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションも採用されていた。

そんな2代目アコード ユーロRは高騰が続くホンダスポーツの中では、比較的良心的な価格をキープしている1台。過走行車が中心となるが、安いものは50万円~60万円台のものも存在し、最も高額なものでも新車価格の265万円をわずかに上回るものがある程度。

とはいえ、こちらもいつまでこのレベルの価格をキープしているかは不透明なため、気になっている人は即行動がマストだろう。今後、価格が上がることはあっても下がることはないハズだ!

[筆者:小鮒 康一/撮影:Honda・小林 岳夫・MOTA編集部]

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