【新日本・G1】夜郎自大のオーカーン現実を知る…ザックの関節技に屈し〝僥倖〟連勝街道ストップ

ザックに攻められ苦悶の表情を浮かべるオーカーン

新日本プロレス30日後楽園大会「G1クライマックス」Aブロック公式戦で、グレート―O―カーンがザック・セイバーJr.にリーグ戦初黒星を喫し、身の程知らずだった言動に天罰が下った。

本来であれば最高峰リーグ戦に出場する実力に遠く及ばないオーカーンは、外国人選手が相次いで不参戦となった悪運の強さで初出場を果たしている。言ってしまえば記念受験のようなもので全敗確実と見られていたが、よもやよもやのダブル役満級大僥倖を連発。開幕から4連勝(不戦勝1を含む)で単独首位に立つと「人を見んなよ。プロレスを見ろよ」「G1覇者になる男の生きざまを見ねえなんてプロレスファン失格だろ?」などと鳥肌物のコメントを残し増長していた。プロレスや生きざまを見ようにも、大多数の人間は前提としてオーカーンを生理的に苦手だということを自覚した方がいい。

勘違いも甚だしいオーカーンは、この日もザックの土俵である寝技勝負を挑むという無鉄砲ぶりを披露。確かにグラウンドテクニックはザックに引けを取らず、互角の応酬は見ごたえ十分だったが戦略的には悪手でしかない。試合中に「ユー、ジャスト・タップ・アウト」などと一丁前な口を叩いていたものの実際はいっぱいいっぱいで、作り笑いは引きつっていたのがバレバレだった。

ザックのトルネードDDTを何とかこらえたオーカーンは、アイアンクローとコブラツイストの複合技に捕らえる。しかし自分がファンの人気Vtuberの名前に便乗しようという不純な理由で命名した、スケベ根性丸出しの大空スバル式羊殺しでザックからギブアップなど奪おうなど夢のまた夢だ。

ならばとエリミネーターで3カウントを奪いにいくが、ワンパターン極まりないフィニッシュホールドはとうに見切られており腕ひしぎ十字で切り返される。強引に持ち上げようとしたところを変形の三角絞めに移行されギブアップ。技術、経験、知性、人格、ルックスすべてにおいて下回っていた。

ついに奇跡の快進撃がストップしてしまったオーカーンは「記憶はねえんだけどよ」と前置いたにもかかわらず「関節技だけなら4度だ。4度、世界のグラップラーをタップアウトさせたんだ。蹂躙して、4度世界を支配した。ああ、楽しかったよザック。次こそは壊させてくれ」と過去を振り返るという破綻コメントを残し、報道陣を困惑させた。その風貌も相まって、もはや錯乱しているのか、もともとアレな人だったのか判断がつかない。試合中に頭は打っていなかったはずだが…。

「沈黙は金」の格言も、よく吠える弱い犬には理解できないのだろう。「この試合の価値も分かんねえ愚民ども、覚悟しとけ! 首絞めて、ションベンたらさせてやるよ。楽しみだなあ!」と、品性のかけらもない言葉を並べ立て、せっかく繰り広げたザックとのハイレベルな名勝負に自ら泥を塗ったオーカーン。4勝1敗の勝ち点8は首位タイだが、試合消化数が少ないザックが無敗をキープし形勢は不利となった。それどころか本来の実力を省みれば再浮上は考えにくく、事実上はこの日で終戦と言っても過言ではない気がする。

© 株式会社東京スポーツ新聞社