消費ターゲットを絞った“応援”食品が登場

今、ターゲットを絞って“応援する”食品が続々と登場しています。どんな人たちを応援する食品なのか、いくつかご紹介します。

10月から「女性応援ブランド」がスタートします。創業114年の老舗食品メーカー・リボン食品による「Minotte(ミノッテ)」は「妊活から産後まで食で応援する」というコンセプトで、葉酸や鉄分を多く含み、さらに高タンパク、低糖質という女性にはうれしい栄養素を簡単においしく取ることができます。第1弾は4種類のパンで、今後はパンに合うスープやお菓子の開発も検討しているということです。通販のみの販売で、冷凍で届くため半年間の保存が可能です。女性応援ブランド開発の背景には筏由加子社長自身も不妊・出産の悩みを経験し、同じ悩みを持つ女性をサポートしたいという思いがありました。

"介護の現場を応援する”アイスも登場しています。「とけにくいアイス ゆったりバニラ」(ロッテ)は3月から高齢者施設や病院、飲食店向けの業務用として販売開始されたため、店頭では見られませんが、アマゾンなどの通信販売で買うことができます。販売開始から半年ほどたちましたが、さまざまな介護用食品のコンクールで表彰されるなど高い評価を得ています。現状、高齢者施設ではゼリーやプリンがデザートの中心となっていて、アイスクリームは「溶けないうちに慌てて食べることで、誤嚥(ごえん=誤って飲み込んでしまうこと)を起こす心配もある」といいます。しかしアイスを食べたいという要望は多く、多くの人が待ち望んでいた商品でした。溶けにくい理由はゼラチンを配合したことで、型崩れしにくくてもアイスらしい口溶けになるよう、試行錯誤したということです。室温で30分間放置してもほとんど溶けず、介護の現場以外でも一般の飲食店のデリバリーメニューに使われる場面も増えているそうです。

あれもこれも欲しいという"欲張りさん”を応援する話題の商品もあります。8月に発売されたばかりの「日東紅茶、ミルクとけだすティーバッグ」(三井農林)は茶葉とミルクが1つになっていて、お湯を注ぐだけで牛乳がなくてもミルクティーが楽しめます。粉末のミルクが入っている商品で、茶葉の香りも引き立つようにと、開発に3年もかかった力作です。また、9月に発売されたばかりの「ザ・バーニング」(ダイドードリンコ)は、エナジードリンク初の「機能性表示食品」となっています。内臓脂肪を減らす効果が期待できる「茶カテキン」が配合されていて、気分転換と健康志向の両方のニーズに応えられるということです。味はトロピカルフレーバーに茶カテキンの渋みが加わり、すっきりしているということです。

多くの企業が消費者のニーズに応えようと、日々さまざまな工夫をして新ジャンルの商品が生まれています。

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