横浜・旧大口病院点滴中毒殺人 元看護師、起訴内容認める「すべて間違いありません」 弁護側は責任能力争う姿勢

事件のあった旧大口病院。横浜はじめ病院と改称したが、現在は休診している=横浜市神奈川区

 横浜市神奈川区の旧大口病院(現横浜はじめ病院)で2016年に起きた点滴連続殺人事件で、殺人罪などに問われた元看護師久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判初公判が1日、横浜地裁(家令和典裁判長)で開かれた。グレーのスーツ姿で出廷した被告は罪状認否で「すべて間違いありません」と起訴内容を認めた。

 被告の弁護人は「被告は犯行当時、統合失調症で、心神耗弱の状態だった」と主張。刑事責任能力の程度を争う姿勢を示した。

 起訴状などによると、同病院の看護師だった被告は16年9月15~19日ごろ、70~80代の入院患者3人の点滴に消毒液を混入し、中毒死させたなどとされる。投与予定の点滴袋5個に消毒液を混入した、として殺人予備罪にも問われている。

 公判は全12回の予定で、判決は11月9日に言い渡される。

 初公判には、大雨の中、多くの傍聴希望者が列を作った。一般傍聴席14席の抽選に371人が臨んだ。

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