「ひめゆり」世界に発信 資料館できょうから特別展 初のウェブ開催も

 沖縄戦に動員されたひめゆり学徒隊を広く海外に伝える特別展「ひめゆりとハワイ」が1日から、糸満市のひめゆり平和祈念資料館で開催される。来年2月28日まで。2019年からひめゆり平和研究所が取り組んできた「沖縄戦・ひめゆり学徒隊の歴史を海外に伝える展示プロジェクト」の集大成になる。コロナ禍でハワイ開催が中止になったため、同館初となるウェブ特別展も行われる。

 特別展では、ひめゆり学徒隊の歴史に加えて、ハワイ出身で戦時中に学徒隊を引率した親泊千代子教諭や沖縄戦を生き抜いた後にハワイに渡った末富文子さんのほか、ひめゆりの塔の敷地購入資金を提供した県系ハワイ2世のハリー・儀間真一氏の功績も紹介している。また、同研究所がハワイ調査時に巡り会ったハワイ在住の元学徒、福田経子さんからは在校時の寄せ書きが寄贈されており、実物資料として展示されている。

 県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団の仲程昌徳理事長は、「日米の戦争はハワイの真珠湾で始まり沖縄戦で終わった。その象徴でもあるひめゆりのことを知ってもらうため、いずれは各国で巡回展をしたい」と語った。同研究所の狩俣英美所員は「ウェブ特別展がハワイの関係者だけでなく、まだ関心を持ってない層に届き、いつか来館してもらえるきっかけになってほしい」と期待を込めた。ウェブ特別展のアドレスはhttp://himeyuri-and-hawaii.com/

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