公営団地への入居「保証人不要に」採択 豊見城市議会が全会一致

 【豊見城】豊見城市議会(外間剛議長)は9月24日の定例会最終本会議で、「公営住宅の入居に保証人を不要とする条例改正等を求める陳情書」を全会一致で採択した。山川仁市長は本紙の取材に「重く受け止める」とした上で「条例改正については、時代に即した環境をどう整理できるか慎重に検討していく」と答えた。

 陳情は条例を改正して公営住宅に入居する際は保証人を不要とすることや、緊急連絡先を確保できない場合に入居後の生活支援に関わる団体を緊急連絡先に代替させることを求めている。保証人が確保できずに公営住宅への入居が妨げられる問題を受けて、県司法書士会(中村敦会長)が8月18日付で県内各市町村議会と県議会に提出していた。

 同会の資料などによると、21年4月1日時点で公営住宅を有する全国1671の自治体のうち、23%に当たる384の自治体が条例を改正し保証人を不要とすることを決めている。一方、県内で条例改正をしたのは伊是名村、久米島町、国頭村などにとどまる。那覇市は9月議会で保証人廃止の条例改正案を可決した。与那原町議会は20年3月の議会で同様の陳情を採択したが、条例改正には至っていない。同会の安里長従さんは「さまざまな事情で保証人を見つけられず、悔しい思いをしている人がたくさんいる。行政は公営住宅の入居の申請を平等に保障するべきだ」と指摘した。その上で「県内で陳情の採択や条例改正が広がってほしい」と話した。

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