豊かな自然が育んだ島の文化紹介 「ほこらしゃ奄美」開幕 鹿児島市・黎明館

スブネ(丸木船)や漁具などの展示物に見入る来場者=1日、鹿児島市の黎明館

 第60回記念黎明館企画特別展「ほこらしゃ奄美」(同館、南日本新聞社など主催)が1日、鹿児島市の同館で始まった。「海と山の織りなすシマの世界」と銘打ち、豊かな自然の中で育まれた群島の文化を紹介する。11月7日まで、月曜休館。

 「ほこらしゃ」は奄美大島の方言で「誇らしい」「すばらしい」を表す。会場はノロに代表される民間信仰、琉球や南九州との関わりなど四つのテーマで構成。田中一村の絵画やサトウキビ専売にまつわる文書、漁業の道具など220点を展示し、独特な歴史と人々の営みを読み解く。

 会場には奄美の民謡が流れ、音声ガイド(500円で貸し出し)でも聞くことができる。小野恭一学芸員(37)は「奄美の奥深い文化や、面白さを知ってほしい」と話した。

 一般800円、高大生500円、中学生以下・障害者無料。黎明館=099(222)5100

サトウキビを搾るサタグルマなど黒砂糖作りに使用する道具
女性祭祀(さいし)者・ノロが着用した衣装などが展示される会場

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