斎藤佑樹でドラ1の引退は3人目に… 近年稀に見る“当たり年”だった2010年ドラフト

2010年ドラフトを振り返る【写真:荒川祐史、藤浦一都】

ドラフト1位の現役引退は大石、伊志嶺に続き3人目に

日本ハムの斎藤佑樹投手が今季限りで現役を引退することになった。1日に球団から発表された。2006年夏の甲子園を制して“ハンカチ王子”として日本中を沸かせた右腕は11年間のプロ生活に幕を下ろすことになった。

斎藤がドラフト1位で日本ハムから指名されたのは2010年のドラフト会議。斎藤と共に、大石達也投手、福井優也投手の「早大三羽烏」が大きな注目を集めたドラフトだが、その後、球界を代表する選手を輩出したドラフトでもある。

そこで、斎藤が指名されたこの2010年のドラフト会議を振り返ってみよう。

この年は斎藤や大石、福井のほか、澤村拓一や大野雄大といった大学生の投手たちが上位候補と目されていた。その中で大石には最多の6球団が競合、斎藤には4球団が入札し、それぞれ西武と日本ハムが交渉権を獲得して入団した。現レッドソックスの澤村は巨人、大野雄は中日が一本釣りに成功。現在は楽天でプレーする福井は広島が外れ1位で指名した。

このほかのドラフト1位を見ると、ヤクルトが外れ外れ1位で履正社高の山田哲人内野手を指名。その後の活躍は改めて説明せずとも周知の通りだろう。横浜は須田幸太投手(現JFE東日本)、楽天は塩見貴洋投手、オリックスは後藤駿太外野手、ロッテは伊志嶺翔大外野手、阪神は榎田大樹投手(現西武)、ソフトバンクは山下斐紹捕手(現中日)をそれぞれ指名している。

2位以下でも柳田や西川、秋山、育成では千賀や甲斐がプロ入り

この12人の中で山田、澤村、大野雄の3人がタイトルを獲得。大石と伊志嶺が現役を引退しており、斎藤は同期ドラ1の中では3人目の現役引退となる。

また2巡目以降でもビッグネームが並ぶ。ソフトバンクの2位は柳田悠岐外野手。今や球界屈指の強打者だ。日本ハムの2位は西川遥輝外野手、楽天の2位は美馬学投手(現ロッテ)だった。西武の3位は現在MLBのレッズでプレーする秋山翔吾外野手で、横浜の6位で福山博之投手(現楽天)、広島の6位で中崎翔太投手もプロ入りしている。

この年は、ソフトバンクの育成ドラフトが大きな成果をあげた年でもある。育成4巡目で指名されたのが千賀滉大投手、5巡目が牧原大成内野手、指名97人中94番目となる6巡目で指名されたのが甲斐拓也捕手だ。千賀と甲斐は球界を代表する投手、捕手となり、東京五輪で侍ジャパンのメンバーとして金メダル獲得にも貢献した。

現在、球界を背負って立つビッグネームが多くプロの世界に飛び込んできた2010年。近年のドラフト会議を見ても、これだけの“成果”が残った年はなかなかないだろう。

【表】2010年のドラフト指名全選手一覧

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(Full-Count編集部)

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