アフリカの中部から南にかけてのサバンナに生息しているクロサイ。
性格はおとなしく、主に木の葉を食べる草食性の動物です。
クロサイ (C)HOME
広島市安佐動物公園でも、3頭の親子が仲良く暮らしています。
ヘイルストーン君は穏やかで優しいお父さん。お母さんのサキちゃんはとても子育てが上手で大らかな性格。今年で5歳になる娘のニコちゃんは、思春期を迎えたおてんばの女の子です。
ヘイルストーン (C)HOME
サキ (C)HOME
ニコ (C)HOME
サイは大きな角が最大の特徴です。
クロサイは2本の角を持っていますが、これは骨ではなく皮膚の一部が硬くなったもので、人間の髪の毛や爪と同じケラチンという成分でできています。
角は骨ではありません (C)HOME
サイの飼育を担当している屋野丸勢津子さんによると、
「放っておくと角はずっと伸び続けるので、サイは岩や木の保護柵で角を研いでいます。大人になると1年間に約8cm伸びると言われています。」とのこと。
角研ぎをするヘイルストーン (C)HOME
今、世界には5種のサイが生息していますが、いずれも絶滅の危機にさらされています。
その最大の原因は密猟。
サイの角は、がんなど様々な効能がある万能薬と信じられ、中国やベトナムなどでは高値で取引されているといいます。
医学的にその効果は証明されていないにも関わらず、いまだに多くのサイが犠牲となっているのです。
密漁により絶滅の危機に (C)HOME
こうした状況に屋野丸さんは、
「たまたま角を持っているだけで密猟されてしまうというのが納得いかない。動物園で何ができるのかと言ったら、小学生やこれから世の中を支えていく人たちに
現状を知って理解してもらうために伝え続けるしかない」と話します。
飼育員の屋野丸さん (C)HOME
近年は保全活動の努力により密猟が減少し、サイの個体数は年々回復傾向にあるといわれています。
私たちもこうした問題に関心を持ち、考えていかなければ、野生動物の命を守ることができないのかもしれません。
野生動物の命に関心を (C)HOME