【フィギュア】宇野昌磨 フリー高難度プログラムへ「どれだけ打ちのめされてもやりたい」

宇野昌磨

フィギュアスケートのジャパンオープン(2日、さいたまスーパーアリーナ)の公式練習が1日に行われ、平昌五輪銀メダル・宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が北京五輪へ向けて上々の感触をつかんでいる。

五輪シーズンの本格スタートとなる一戦。その前日、氷上で汗を流した宇野は「まだまだ自分の求めているもの、練習の出来からしたら程遠いものがあるんですけど」と前置きしつつ「例年に比べると、ようやく初めて世界のトップと戦えるためのスタートラインに立ったんじゃないかなって思います」と充実ぶりをうかがわせた。

今季は自身のキャリアでも最高難度のプログラムに挑戦。ループ、サルコー、フリップ、トーループの4回転ジャンプ4種類5本を投入予定のフリーについて「正直、できる確率は今かなり低いものだと思っています」と現状を明かすが、志は恐ろしいほど高い。

「たとえ僕が明日失敗しようとも、ワンシーズン通してプログラムを完成させたい、自分がこのプログラムをできる段階まで成長して世界のトップと戦える選手になりたいという気持ちを込めて、たとえどれだけ失敗して打ちのめされてもやりたいと僕は思っています」

前回の平昌五輪以降、様々な経験をしてきた。尊敬する五輪2連覇・羽生結弦(26=ANA)のようにストイックに追い込んで結果を出そうとした時期、逆に楽しむことに徹したシーズンもあった。そんな日々を振り返った宇野は「僕は日に日に考えや自分というものが変化していると実感しています。何が成長なのか?は僕にも分からないですが、その時の自分を僕は信じています」と語った。

そして、紆余曲折の末にたどり着いたのは「やっぱりフィギュアスケートをやりたい、挑戦し続けたい、世界のトップで戦える選手でいたい」という確信だった。

「今までのように失敗を恐れる自分ではなく、1つの成功を目指して、ひたむきに、どれだけくじけても立ち上がってやり遂げる自分でいたいなと思っています」

今季も苦しみ、もがきながら光を求め、前に進むつもりだ。

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