【フィギュア】坂本花織が新プログラムに込めた思い「ほんの少しの自由」「縛りからの解放」

坂本花織

フィギュアスケートのジャパンオープン(2日、さいたまスーパーアリーナ)の公式練習が1日に行われ、五輪2大会連続出場を目指す坂本花織(21=シスメックス)が北京五輪シーズンで使用する新フリープログラム「No More Fight Left In Me/Tris」への思いを語った。

苦悩の末の決断だった。8月のげんさんサマー杯では18―19シーズンのフリー「ピアノ・レッスン」を演じ、143・50点(合計217・24点)で優勝。このままいくか、挑戦するか。坂本は「前進」を選んだ。

「げんさんで140点台が出たけど、リザルトを見てステップやスピンの取りこぼしをレベル4まで上げて計算しても去年より下回る。上回ろうと思ったらそれ以上のものをしないといけないと思って、覚悟を決めて新しいのにしました」

プログラムには振付師のブノワ・リショー氏の思いが詰まっている。坂本は「今、コロナが世界中に広まって、世界中が不自由な状態」と話した上で「制限がある中でもほんの少しの自由」「縛りから解放されるイメージ」と作品のテーマを明かした。プログラムに込められた意味をかみしめ、それを表現することで新しい自分を生み出すのだ。

「本当に今、みんな大変な思いをして過ごしているけど、フィギュアを見て少しでも元気になり、勇気が出たって言ってもらえるような滑りを自分は今すべきだと思う」

未曽有な「今」を生きる人々へのメッセージを胸に、坂本の新シーズンが本格的にスタートする。

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