質の高い韓国コンテンツが次々と話題になるなか、今秋、韓国の子どもたちに大人気のアニメ「シンビアパート」「どうぶつたんけん!ドゥダとダダ」が日本初上陸。Amazonプライム・ビデオで好評配信中です。未知なる韓国アニメについて探るべく、韓国在住のママさんたちとリモート座談会を開催。リアルな韓国アニメ事情を子育て現場からお届けします!
【参加者】
ジュンコさん:在韓10年目の日本人。ソウル市中浪(チュンナン)区在住。6歳の双子女児、3歳男児の母。
ユカさん:在韓20年目の日本人。京畿道九里(クリ)市在住。小3男児の母。
ドッキさん:京畿道水原(スウォン)市在住。中3、小6、小3の三姉妹の母。
― 今日はお集まりいただきありがとうございました。まずは、みなさんのお子さんの年齢から教えてください。
ジュンコさん 満6歳の双子の娘と、3歳の息子がいます。今は3人とも保育園に通っていて、上の2人は来年から小学校に入ります。
ユカさん 小学校3年生の息子がいます。
ドッキさん 娘が3人で、中学3年生、小学校6年生、3年生です。
― 3歳から中学生まで、いろいろなお話がうかがえそうですね。お子さんたちは、学校や保育園に通う以外に、どんな毎日ですか?
ジュンコさん 上の2人は月曜から金曜までテコンドー教室に通っています。韓国の習い事は週3〜5回というのが一般的で、上達は速い気がしますが、その分、値段が高いですね。
ユカさん 我が家は、水泳とアイスホッケー。夏は水上スキーを習っています。
ドッキさん うちは3人とも、数学の塾に通っています。
― 年齢を問わず、毎日、忙しそうですね! 今回は主にアニメーションについてうかがいたいのですが、日頃、お子さんたちはどういった時間帯にアニメを見ていますか?
ジュンコさん 以前は夜ご飯のあとに見ていたんですが、何を見るかで毎回ケンカになったり、延々と夜中まで見てしまったりという状態が続いていたので、今は、朝、起きて保育園に出発するまでの1時間から1時間半だけに限定しています。
ユカさん 家に帰った後、宿題やオンラインでの勉強の合間、あとは週末にNetflixで見たり、といった感じです。
ドッキさん うちは年齢が少し上なので、今はそれぞれに好きなことをしています。一番、上の子は、スマホにダウンロードしたアニメーションや映画を見ています。2番目はウェブマンガをよく読んでいます。3番目はゲームをしたり、関連したYouTubeチャンネルを見たりしています。
― 幼児時代を含め、これまでによく見ていたアニメーションにはどんなものがありますか?
ユカさん 「ポンポン ポロロ」(2003〜)、「ロボカーポリー」(2011〜)、「ちびっこバス タヨ」(2010〜19)は、3歳くらいの頃、最初に見ていたアニメですね。ペンギンが主人公の「ポロロ」はキッズ・アニメの定番で、「ポリー」、「タヨ」は乗り物系。
― 日本にも紹介されているアニメーションですね。
ユカさん 韓国では「タヨ」に登場するバスのキャラクターが実際のバスにラッピングされて街を走っていたりもするんですよ。あとはモグラと少女が冒険をする「どうぶつたんけん!ドゥダとダダ」(2013〜2021)も見ていました。
ジュンコさん まさに今、見ているのは、小学生の姉弟がトッケビと一緒に様々な幽霊と出会う「シンビアパート」(2014〜)です。あとは、パンやお菓子のキャラクターがかわいい「ブレッド理髪店(原題)」(2019〜2020)、妖精の女の子が主人公の「シークレット・ジュジュ」(2012〜)も女の子に人気があるようです。
ユカさん 幼稚園に上がる頃には車がロボットに変身する「変身自動車トボット(原題)」シリーズ(2010〜)や「ハロー カボット(原題)」シリーズ(2014〜)を楽しんで見てました。あとは、「ターニング・メカード(原題)」(2014〜2016)も、カードと組み合わせて遊ぶおもちゃが流行りました。「妖怪ウォッチ」(2014〜2018)や日本の戦隊モノも、男の子の通る道ですね。
ドッキさん それを聞くと最近の子たちは、昔よりも韓国のアニメーションを見るようになってきたと感じます。うちの場合は「それいけ!アンパンマン」(1988〜)、「妖怪ウォッチ」、「プリキュア」シリーズ(2004〜)、「ドラえもん」(1973〜)などの日本のアニメを見て育ちました。6年生の真ん中の娘は特に「犬夜叉」(2000〜2004)が大好きです。彼女は今日も「クレヨンしんちゃん」(1992〜)を見ていました。
ユカさん これは日本、これは韓国とか、あまり考えないですよね。アニメチャンネルをつけてやっているのを見る感じ。息子が幼稚園時代に「ベイブレード」シリーズ(2001〜2019)を見ていたんですが、日本のものだとあとで知りました。
ジュンコさん 韓国は、海外のアニメーションをローカライズする技術が進んでいて、日本語や英語のテロップや看板をきれいに消して韓国語に変えて放送しています。だから子どたちも、どこの国のものかというようなことは気にせずに没頭できるんじゃないでしょうか。
Text:佐藤結(ライター)
Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)