糸魚川小創立150周年 記念事業に多くの寄付 次代担う児童のために、匿名の投函も

 糸魚川市立糸魚川小(泉豊校長)は今年、創立150周年を迎えた。同記念事業実行委員会(髙瀬衛実行委員長)は次代を担う児童のためにと、保護者や出身者、地元企業・法人・店舗、東京・関西の両糸魚川会などに向けて、広く寄付金の協力を呼び掛けてきた。

〝あしながおじさん〟の寄付が投函された郵便受け。匿名の卒業生の思いを受け止め感謝する和泉校長(左)と橋本副実行委員長

 明治5年に開校した同校。平成26年に現在の校舎が完成し、ひすいの里総合学校と同じ建物となった。両校の児童・生徒が交流し、互いに思いやる心を育んで学習している。

 両校で併用する芝生の中庭は、大学のキャンパスを思わせるほどの広さ。ただ施設整備は遅れていた。記念事業として同実行委は、中庭で思い切り運動し、遊んで、交流を楽しんでほしいとの願いを込めて、安全性に配慮した遊具とベンチを寄贈、設置する。併せて、経年劣化が進んでいる金管楽器の入れ替えと一部補充を行う。

 同校の郵便受けに9月21日、〝あしながおじさん〟から匿名の封書が投函(とうかん)されていた。中には現金10万円と文書が入っていた。

 文書は校長宛てで「糸小を愛する卒業生より」とあった。「匿名で失礼かとは思ったが、返礼等されましたら、小生の思いとは異なってしまうためです」「わずかですが、150周年事業および今後の糸小、児童のためにお使いください。糸小を応援しています」との思いがつづられていた。

 封書を手にした泉校長は深い母校愛、恩返しの心を有する卒業生に深く敬意を表し、「糸魚川小の素晴らしさを実感した。今と未来の教育を担う教職員の責任をあらためて確認し、お気持ちに深く感謝申し上げる」と話した。

 投函を聞き、駆け付けた橋本進副実行委員長は「コロナ禍で大変な中、地域にこんな人がいるとは。本当にありがたい」。今回は卒業生でない人からも多くの善意が寄せられているといい、併せて感謝を伝えた。

◇23日に記念式典

 創立150周年記念式典は23日、同校講堂で開かれる。同日は「わかばっ子コンサート」も実施。コロナ感染防止対策を講じながら大きな節目を祝う。

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