台風発生のメカニズム解明へ 横浜国大に国内初の研究センター「人間の脅威と闘いたい」

関係者によるテープカットが行われた台風科学技術研究センターの開所記念式=横浜国大

 台風による被害の軽減や新たな技術開発などを目標に、多様な分野の専門家が集う国内初の研究センターが1日、横浜国立大に発足した。

 地球温暖化に伴う危険な台風の来襲が見込まれる中、発生メカニズムの解明や予測精度の向上を図るとともに、将来的には台風の持つエネルギーを活用した発電の実用化を目指す。

 「台風科学技術研究センター」は同大の先端科学高等研究院に設置された。センター長となった筆保弘徳教授は気象学が専門。「台風は人間にとって脅威。研究者としては敗北感を味わってきたが、今までとは違う視点や技術で台風と闘っていきたい」と述べた。

 台風関連の研究に取り組む大学の専門家や企業などが加わり、気象庁気象研究所や海洋研究開発機構も名を連ねた。専門分野は防災やエネルギー科学、航空・船舶開発など幅広く、産官学の力で総合的な台風研究を進める考えだ。

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