【新型コロナ】園児・児童に配布の抗原検査キット、有効期限は10月末 メーカー延長承認せず、悩む神奈川県

神奈川県庁

 新型コロナウイルス感染の早期発見のため神奈川県が園児・児童らに先月配布した抗原検査キット約40万回分の有効期限が今月末に迫り、県が期限後の取り扱いを巡って頭を悩ませている。1日の県議会厚生常任委員会で自民党の高橋栄一郎氏が取り上げた。

 県によると、9月30日までに県購入分と製造会社からの寄付分を合わせ約92万キットを小学校や幼稚園、保育所などを通じて配布した。このうち寄付分の39万4190キットの有効期限が今月末になっている。

 別のメーカーのキットには有効期限表記が今年6月までのものがあるが、国が来年6月までの延長を承認。一方、10月末が期限の製品はメーカーが承認手続きをしていなかった。

 県は期限を把握した上で配布していたとし、「メーカーは来年10月まで使用可能と見込んでいる。製品の有効性を担保するため、試験を毎月行い、県に報告する」と説明した。

 高橋氏は「これで法的に問題ないのか」と指摘。県は「望ましいことではない」とし、メーカーに延長承認の手続きをするよう求めるなど、対応を検討している。

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