【横浜・旧大口病院点滴連続殺人】「なぜ命まで。動機知りたい」 初公判の傍聴券求め、371人が列

傍聴券を求め、当選番号を確認する人たち=横浜市中区の横浜地裁前

 初公判では、用意された一般傍聴席14席の約27倍に当たる371人が傍聴券を求めた。豪雨にもかかわらず、傍聴券を得ようと列ができ、関心の高さをうかがわせた。

 横浜市中区の中地千穂子さん(61)は、特別養護老人ホームでヘルパーをしていた自身の経験を重ねる。「重労働の日々で自分も楽ではなかったが、高齢者に喜んでもらいたいと働いていた」と看護・介護現場での思いを語り、「被告も大変な面があったとは思うが、なぜ命を奪うまでに至ったのか。動機が知りたい」と話した。

 犯罪心理学を専攻しているという埼玉県内の大学2年の女性(20)も動機や事件の背景に関心を寄せる。「何が被告に事件を起こさせたのか。精神的な面への影響が気になる」。藤沢市の女性看護師(42)は「患者を支える側に立つ同業者として信じられない。(発生から)5年がたち風化も考えられるが、裁判を機に事件を思い起こしてほしい」と語った。

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