神奈川・秦野産「青パパイア」初出荷 健康ブームで注目の食材 料理レシピも配布

青パパイヤの実の付き方を確認する安居院さん(左)=秦野市内

 日本の食卓ではなじみの薄い「青パパイア」の試行栽培に取り組んできた神奈川県秦野市の農家有志が2日、「JAはだの」の直売所「じばさんず」(同市平沢)に初出荷する。豊富な栄養素を持つほか、市内の農家が悩む鳥獣害にも強く、新たな収入源としても期待される。秦野の新たな特産品となるか、注目が集まる。

 背丈約2メートルほど、太い幹の周辺には緑色の実がたわわに育つ。同市内にある同JA職員の安居院(あぐい)賢治さん(58)の畑には青パパイア約110本が並ぶ。葉をいっぱいに茂らせた一画は南国のようだ。

 栽培を始めた目的は鳥獣害対策と新たな収入源の確保。市によると、2020年度の市内の鳥獣による農作物の被害額は約3900万円。電気柵設置など対策が進み19年度より1100万円減ったが、収穫間際に荒らされ、収入が落ち込む農家がいることに変わりはない。

 そこで安居院さんが注目したのが青パパイア。淡泊でくせのない味はサラダや炒め物などに適し、タンパク質や糖質、脂質を分解する酵素も豊富で健康ブームの中で注目されている食材という。「栽培に手間が掛からず、病害虫にも強い。植えてから収穫までの期間も短く、獣害対策しながら所得向上にもつながる」と狙いを話す。

 「じばさんず」には農家が収穫した約500グラムほどに実った青パパイアが中心に並ぶ予定。売り場で調理方法や料理のレシピを配布し、知名度の向上にも努める。今後は給食への活用や市内飲食店への出荷も検討し販路拡大を進めるという。

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