緊急事態宣言解除も大阪の街はボチボチ 阪神優勝「道頓堀ダイブ」警戒で休業依頼も

人通りの少ない大阪・戎橋

緊急事態宣言が1日、解除された。

大阪府では解除された他の自治体同様、急激なリバウンドに備えるため、解除後も今月末までは段階的な緩和を行う方針。飲食店については、府独自の「ゴールドステッカー」の認証を受けている店舗は午後9時までの営業、午後8時半までの酒類の提供を認めるが、認証外の店舗にはこれまで通り、酒類の提供自粛と午後8時までの時短を要請している。

金曜日の解除となったが、歓楽街ミナミのキャッチは「宣言中よりお客さんは来てくれてるけど、歩いてる人の数はそんな変われへん」。

飲食店関係者も緊急事態宣言の解除を喜びつつも「若いヤツはどんどん出てくるやろうけど、お年寄りはまだまだコロナを怖がってるし、一気に客足が戻ってくることはないんちゃうかな」と話した。

その一方で、要請に応じた店舗に支払われる時短協力金について「実質まだ、まん防(まん延防止等重点措置)状態やけど協力金も減る。そもそも、うちはまだ4期分(4月5日~24日)までしか入ってない。同業の仲間には3期分(3月1日~4月4日まで)がまだのところもある。詐欺が多いから慎重いうのも分かるけど、もうちょっと、ちゃっちゃとやってくれな困る」と行政に不満を述べた。

道頓堀界隈の飲食店にはまた、別の悩みが浮上しているという。

「警察は阪神が優勝した時の〝道頓堀ダイブ〟に備えて、川沿いの遊歩道に入れなくすることも検討してるみたいで、遊歩道に面した店舗に休業依頼してる。16年ぶりの優勝はええけど、せっかく営業できるようになったのに、また迷惑な話ですわ」(別の飲食店経営者)

阪神タイガースがセ・リーグ制覇すれば、関西経済に好影響を与えるのは間違いないが、規制がなければ道頓堀周辺が〝お祭り騒ぎ〟になるのも必至。府警はサッカーW杯ロシア大会での日本代表戦や令和改元の際、〝道頓堀ダイブ〟を警戒して戎橋の東西両側にあるスロープを封鎖。戎橋からのダイブを阻止した実績があり、今回も同様の対応を検討しているとみられる(隣の道頓堀橋から飛び込んだり、警察が撤収した後の飛び込みはあったが…)。

飲食店関係者の悩みは尽きないようだ。

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