「定員割れ」の4年制私立大学は大幅増の46.4% 日本私立学校振興・共済事業団が調査

日本私立学校振興・共済事業団は、全国の私立大学・短期大学・大学院(株式会社が設置する学校は除く)を対象に実施した学校法人基礎調査から、入学定員、志願者数及び入学者数等を集計し、入学定員充足率や志願倍率等の動向を規模別、地域別、学部系統別にまとめた「令和3(2021)年度 私立大学・短期大学等 入学志願動向」を公表した。

私立大学では、調査対象605校のうち、通信教育部のみを設置する学校及び募集を停止している学校を除いた597校(前年度より4校増)を集計学校数とした。

調査によると、志願者数383万4862人(前年度より53万3353人減)、受験者数366万3962人(51万841人減)、入学者数49万4213人(9617人減)は前年度から減少。一方、入学定員49万5162人(4150人増)、合格者数143万7906人(8万9389人増)は増加した。

入学定員充足率(入学者数÷入学定員)は、前年より2.80ポイント下降して99.81%で、入学定員充足率が100%未満の大学は93校増加して277校となり、大学全体に占める未充足校の割合は15.4ポイントと大幅に上昇して、46.4%となった。

規模別の入学定員充足率をみると、入学定員充足率が上昇した区分は、入学定員が「3000人以上」 のみで、0.84ポイント上昇し、99.91%となった。「600人以上3000人未満」の4つの区分では、入学定員充足率は前年より下がったものの100%を超えた。

地域別では、入学定員充足率が上昇した区分は「京都」のみで、0.46ポイント上昇。入学定員充足率が100%を超えた地域は「北海道」、「宮城」、「関東(埼玉、千葉、東京、神奈川を除く)」、「東京」、「愛知」、「大阪」、「福岡」のみだった。

学部系統別では、「医学」、「理・工学系」、「社会科学系」、「体育学」、「芸術系」で、入学定員充足率が100%を超えた。一方、「歯学」「薬学」「保健系」「農学系」「人文科学系」「家政学」「教育学」においては入学定員充足率が100%に満たなかった。また、前年度より入学定員充足率が上昇した学部系統はなく、最も入学定員充足率が低下したのは「歯学」で7.15ポイント下げ、75.83%だった。

2021年度は、18歳人口が2020年度に比べ約2万6千人減少し、18歳人口の減少期にある。日本私立学校振興・共済事業団は今回の調査結果について、大学は学生募集の取組みにさらなる工夫・努力が必要としている。

参考:【日本私立学校振興・共済事業団】令和3(2021)年度私立大学・短期大学等入学志願動向(PDF)

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