路面電車 大人運賃140円に改定 長崎電気軌道

1日から大人140円に運賃が改定された長崎電気軌道=長崎市内

 長崎市内で路面電車を運行する長崎電気軌道は1日、運賃を10円引き上げ140円(子どもは70円のまま)に改定した。運賃引き上げは2019年4月以来2年半ぶり。
 同社は前日夜から1日早朝にかけて、営業車両68両と停留所39カ所の運賃表示を変更。市内の自営業女性(65)は「日頃の移動手段は路面電車中心。値上げは仕方ないが、運行間隔が長くならないよう利便性アップを」と話した。
 改定率は7.69%。1日乗車券は大人が100円引き上げの600円(子ども50円引き上げの300円)になった。定期運賃も引き上げ、通勤1カ月の場合、5230円を5630円。通勤と通学6カ月、全線3カ月と6カ月の定期を新設した。
 沿線人口や観光客の減少などで、2020年度の輸送人員は前年度比35%減の約1061万人。軌道部門の収支の赤字は約3億7600万円。バリアフリー対応の超低床車両などの設備投資を継続的に実施し、運行の安全確保とサービス向上を目指して改定に踏み切った。
 全国の路面電車では、岡山市の岡山電気軌道が一部100円区間を除き、長崎電気軌道と同じ140円で運行している。

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