【簡単レシピ】ダッチオーブンを使ったキッチン燻製で半熟トロトロの「味付燻製玉子」を作る!

こんにちは。最近久々に燻製に燃えているくにぱぐです。今回はそんなわけで燻製です。みんな大好き「燻製玉子」をダッチオーブンを使ったキッチン燻製で作ります。しかも「味付玉子」を「半熟トロトロ」に仕上げてみます。これは本当に奥が深かったので、是非読んでやってください。

「ただの燻製玉子」ならものすごく簡単! だからこそ極限にチャレンジ!

筆者撮影

燻製をやり始めたとき、どなたでも「まずは卵にチーズにソーセージ」という感覚で最初に燻されるのがゆで卵だと思います。

自宅で作るゆで卵、あるいはスーパーで買える味付玉子。どちらも簡単に燻せますし、10分も適当に強火で煙にかけるだけでとても美味しいのですが、私はずっと不満がありました。

こうして作った燻製玉子は「半熟ではない」のです。燻製にする加熱の過程で黄身まで火が通ってしまうからですね。

固ゆで状態の燻製玉子も確かに美味しいのですが、なんとか美味しい半熟の燻製玉子を食べてみたい!そんな願望が長らくあったわけです。

それで今回、どうせだったら半熟トロトロの燻製玉子を味付けするところから作ってレシピ化してみようと、かなり試行錯誤しました。

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メインビジュアルを見て頂けるとわかりますが、なんとか成功はしましたし、これは自画自賛ながら仕上がりは絶品だと思います。ただ、キッチンで数分燻すだけとはいえ、下処理が長く長くかかり、完成までいくと5日もかかる調理になってしまいました。

とはいえ途中経過で「びっくりするほど美味しいゆで卵」が10分で、「どこのラーメン屋にも負けない味付玉子」も3日で作れるので、部分的にでも参考にしてくれると嬉しいです。

半熟トロトロ味付燻製玉子の食材と作り方

半熟トロトロの味付燻製玉子の食材(燻製玉子10個)

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  • 卵 …10個
  • 濃口醤油 …100ml
  • 紹興酒 …100ml
  • みりん …100ml
  • 砂糖 …大さじ2
  • 創味シャンタン(またはウェイパー、または鶏ガラスープの素) …大さじ1

味付玉子の味付けの組み合わせは、オーソドックスな「中華味」となります。ラーメン屋さんの味付玉子に近い味ということですね。

「醤油+酒+みりん」がおおむね1対1対1ならば中華味にこだわる必要はなく、例えば濃縮の麺つゆ、日本酒、みりん(創味シャンタンの代わりに本だし)で和風味になります。さらに、麺つゆだけでもいけますが、この場合おでんに近い味になります。

いずれにしても味をしっかり黄身まで浸透させるには、水等で薄めず、これぐらいの濃さが必要です。

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半熟トロトロの味付燻製玉子の調理に必要な道具

ゆで卵

  • ダッチオーブン(圧力鍋でも可)
  • 画鋲(1つ)

味付玉子

  • ジップロック

燻製玉子

  • ダッチオーブン(あるいは鍋)
  • ダッチオーブン用中敷き底網
  • アルミホイル
  • キッチンペーパー
  • 燻製用ウッドチップ
  • ピートパウダー(あれば)

ゆで卵は蒸し茹でにするので、圧力鍋やダッチオーブンを使いましょう。無くても当然ゆで卵は作れますが、むっちりとしたゆで卵を作るには、これらが必須です。

味付玉子を作る工程はジップロックだけあればOKです。

燻製については、家庭のキッチンで数分燻製するだけなので、専用の道具などは不要です。ダッチオーブンがあるなら、茹でるのと同じものを使うといいでしょう。

メスティンを使うでももちろん平気です。

中敷きの網は卵の下から煙を当てるためなので、ちょうどいいサイズの網がなければ、アルミホイルを丸めて支柱にし、その上に網を乗せるなどの工夫をします。※それとは別に使いますので、いずれにしてもアルミホイルは用意しましょう。

燻製用のチップは例によってなんでも構いません。さくらは色づきがよく、短時間での燻製に適しています。さらに色づきをよくするために、ピートパウダーもあるとよりよいでしょう。

半熟トロトロの味付燻製玉子の作り方

ここからは作り方ですが、「ゆで卵」「味付玉子」「燻製玉子」と分けて記事を書いてみます。

びっくりするほど美味しいゆで卵篇(10分)

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【1】ゆで卵は鮮度の良い、冷蔵庫から取り出したばかりの卵を使うでOKです。まずは卵のお尻に1つずつ画鋲で穴を開けていきます。これで殻が割りやすくなります。お尻であれば割れたりしませんし、中身が出てくることもほとんどありません。

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【2】卵をダッチオーブンか圧力鍋に並べたら、水を1㎝だけ注ぎます。1㎝の目安は、普通の画鋲を立てて、針先からすべてがギリギリかぶるぐらい。少ない水の量で不安になると思いますが、この量は厳守してください。

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【3】ダッチオーブンをしっかり密封し(圧力鍋なら加圧し)、火をつけます。強火で5分そのまま茹でます。もし、味付玉子などにはせず、そのままゆで卵として食べる場合は6分がオススメです。また、ゆでている最中、2分に一回は軽く鍋をゆすり、中の卵を転がしてください。これにより鍋底への接地面が変わって割れにくくなり、さらに黄身が卵の中心に来ます。

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【4】時間が来たら火を止め、そのまま5分、蓋を開けずに蒸らします。この間も2分に一回は鍋をゆすります。

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【5】5分経ったら氷水で一気に冷却します。しっかりと、急激に冷やすことで、殻の剝きやすさが変わってきます。

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【6】ゆで卵の出来上がりがこちら。これが茹で時間6分+蒸し時間5分です。キレイに殻が剥けます。剥く時はなるべく細かく全体の殻を叩き、全面にヒビを入れるのがコツです。

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白身はむっちり、黄身はトロトロの半熟です。ただ、味付玉子にするとその過程で全体的に身が縮んで硬くなるので、その場合はあらかじめ5分で茹でる方がいいというわけです。

どこのラーメン屋にも負けない味付玉子篇(3日)

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【1】調味料はすべて混ぜておき、鍋でひと煮立ちさせてアルコール分を飛ばしておきます。そのまま放置し、人肌より温度を下げておきましょう。(高い温度に卵を漬け込むとさらに煮えて煮玉子になってしまいます)

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【2】調味料はジップロックに入れて、ゆで卵を漬け込みます。画像のように水に沈めると、水圧で空気が抜けるので、なるべく空気を抜いてチャックを閉めます。このまま冷蔵庫に入れ、たまに引っくり返したりして、色づきにムラの出ないようにしましょう。

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【3】上の写真が丸1日経った状態、下の写真が丸3日経ったものです。このぐらい漬け込むことで、黄身にまでしっかりと味付けが浸透し、ねっちりとしたコクのある味わいがします。普通のラーメン屋さんは回転効率などの理由で1日程度しか漬け込まないので、濃密な味わいに驚くと思いますよ。

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いよいよ完成! 半熟トロトロ味付燻製玉子篇(5日)

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【1】味付玉子を燻製にする場合の最大の問題は水分です。水分があると酸味が出てしまい、燻製としては失敗に繋がります。

なので、この水分をしっかりと抜いていきます。キッチンペーパーを敷き、適度に取り替えながら、2日間冷蔵庫で風乾させます。なお、黄身までしっかり味のついている卵は、1週間程度は問題なく食べられます。

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【2】ここからは燻製です。鍋の底にアルミホイルを敷き、ウッドチップを大さじ1程度、ピートパウダーをその半分程度よく混ぜてその上に撒きます。さらに網を浮かせて、準備完了です。

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【3】鍋を火にかけます。センサーのついだガス台の場合、自動消火されてしまうので、カセットコンロなどを使いましょう。しばらくすると煙がモウモウと出てきますので、そうしたら冷蔵庫から取り出した味付玉子をキッチンペーパーで拭ってから網の上にセット。蓋をして3分間そのまま加熱します。(換気扇は常に「強」にしましょう)

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【4】3分経ったら火を止め、一旦蓋を開けて、キッチンペーパーで軽くで良いので味付玉子を拭き直します。これをやらないと水分で酸味が出てしまうので注意がいります。拭き終わったら素早く蓋を戻し、火は消したまま、さらに3分余熱で燻します。

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【5】3分後、まだ煙は出ていると思いますが、酸味を出さないようにここで燻製はストップ。これで完成です。

短時間の燻製なので煙っぽさはさほどなく、すぐに食べられます。さらに1~3時間ほど寝かせればさらにカドの取れた味になりますよ。

半熟トロトロ燻製玉子はおつまみに最高! さらにサラダやサンドイッチにも!

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計5日もかかる大作燻製ですが、一度に大量に作れるので、まとめて作るのがよいと思います。おつまみには最高で、5つぐらいはすぐに無くなってしまいますし、子供に横取りもされます。

運よく余れば、潰して燻製したマヨネーズと和えて、タマゴサラダにしてもいいでしょう。さらにパンに挟めば、とても贅沢な燻製玉子サンドイッチになります。もちろんホットサンドにも使えます。

燻す時間は短時間ですので家庭のキッチンでもさほどニオイは残りません。心配なら燻製だけキャンプ場でやるなどの方法もあります。

いろいろと限界に挑んだ気がしますし、これを丸々やる人はそんなにいない気がしますので、うまく使えるところだけ使って頂ければと思います!

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