JAXAの無人月面探査機「SLIM(スリム)」を公開 相模原市立博物館で企画展

相模原市立博物館で公開されている無人月面探査機「SLIM」の実物大試験モデル=同市中央区

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めている無人月面探査機「SLIM(スリム)」の実物大試験モデルが、相模原市立博物館(同市中央区)の企画展「相模原と月」で公開されている。探査機は2022年度に打ち上げ予定で、同館は「展示を通して、月や宇宙を身近に感じてもらいたい」とPRする。17日まで。

 JAXAは、月面の狙った場所にピンポイントで着陸する技術の確立を目指している。SLIMは月面をカメラで撮影し、その画像から瞬時に探査機の正確な位置を検知。その結果を基に軌道を修正しながら、目的地点に着陸する技術を兼ね備える。

 JAXAによると、この技術を実証することで従来の「降りやすいところに降りる」探査ではなく、「降りたいところに降りる」探査へと大きく転換するという。

 展示されている試験モデル(高さ2.4メートル、横幅2.7メートル、厚み1.7メートル)は、着陸時の衝撃に対する耐久性を試験するために使われた。

 企画展では、月探査技術の実証のために開発された工学実験衛星「ひてん」の試験用モデルや最新の探査技術も紹介している。午前9時半~午後5時。問い合わせは市立博物館電話042(750)8030。

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