手作りの明かり地域照らす 安塚区ユキノハコ秋の灯ろうまつり 幻想的な雰囲気演出

 手作りの灯籠をともし、地域の人の心を照らすイベント「秋の灯ろうまつり」が3日までと9、10の両日、安塚区樽田の雪中貯蔵施設「ユキノハコ」(雪室)で開かれている。訪れた親子連れらは、揺らめく明かりに見入ったり写真を撮ったりして、幻想的な雰囲気を楽しんだ。点灯は午後4時30分から同7時まで。

 やすづか小さな祭り実行委員会が主催。コロナ禍でもまちの人が楽しめるイベントを開きたいと、8月の灯ろうまつりに続き実施した。

 雪室の回廊や階段には、牛乳パックを切り抜いてLEDライトを入れた灯籠600個を設置。灯籠の製作は、地元住民や市内学校の生徒らが協力した。夕方に明かりがともされると、雪の結晶や星、花や動物の模様が浮かび上がり、雪室内を柔らかな明かりで満たした。

約600個の灯籠が柔らかな明かりで雪室内を照らした(1日午後5時ごろ)

 美術の授業で灯籠作りをした三和区島倉の高校生、宇野志柾(むねまさ)君(18)は雪室の見学を兼ね母親と来場。「雪室は木がふんだんに使われていて、広いと感じた。自分の灯籠がどこにあるか分からなかったけど、本物の炎みたいできれい」と声を弾ませた。

 貯蔵庫内の農産物や貯雪室の様子は土日曜の午前11時と午後1時から見学が可能。雪だるま物産館職員が案内する。

◇期間中に体験教室

 灯ろうまつり期間中、各種体験教室が隣接する雪だるま物産館で開かれている。1日は陶芸絵付け体験が行われ、参加者は花や富士山など好みのモチーフを描いた。

陶芸絵付け体験で思い思いのモチーフを描く親子

 陶芸は灯ろうまつり実行委員長の市川規江さん(47)が講師を担当。市川さんは中学校やフリースクールで、非常勤講師として陶芸を教えている。参加者は素焼きの茶わんに、窯で焼くとブルーに仕上がる陶芸用の絵の具「呉須」を使い、思い思いに模様を描いた。

 頸城区上吉の大口由美子さん(50)は友人の竹内美和さん(52)と参加。今年行けなかった海をモチーフに選んだ。「久しぶりに絵を描き童心に帰った」と話し、出来上がりに期待していた。

 市川さんは「安塚には雪室や物産館、楽しいイベントもある。この機会に安塚を訪れて」と呼び掛けた。

 絵付け体験(9日)、つるリース作り(10日)の参加費は1000円で事前申し込みが必要。種を使ったブローチ作り(3、10日)、フラワーキャンドル作り(3、9日)は参加費300円で事前申し込み不要。時間は午後3時から同4時まで。

 申し込みは同物産館(電025・595・1010)、雪だるま財団(電025・592・3988)へ。

© 株式会社上越タイムス社