映画「春」公開記念舞台挨拶、古川琴音「昔の自分にビックリしてます」

2日、アップリンク吉祥寺で短編映画『春』の公開記念舞台挨拶が行われ、主演の古川琴音と、大森歩監督が登壇し裏話などを語った。

本作は、京都国際映画祭2018クリエイターズ・ファクトリーほか9つの映画祭にてグランプリを受賞した他、文化庁メディア芸術祭2019 新人賞(大森歩)、TAMA NEW WAVEベスト女優賞(古川琴音)も受賞した短編映画だ。

物語は、認知症が進む祖父に、イライラが募った主人公が思わずしてしまう行動などをリアルに描いている。

劇場に登場した古川は「久しぶりにお客さんの前に立つのでとても緊張しているんですけど、とても思い入れのある映画で、こういう機会を頂けて光栄だなと思います」と挨拶。

印象に残っている演出について古川は最後の“敬礼”をするシーンを挙げ、「敬礼をするって動きは日常のリズムの中で不自然で、現場で腑に落とすことが出来なくて……でも、映像を見たときにアミの覚悟とか、挑んでいく心意気っていうのを感じられたので、そういうのを監督は意識なさってたのかなぁと思いました」と語った。

それを受け大森監督は「琴音さんが(このシーンを演じるのに)悩んでいたのを感じて、実際『やってもやらなくても、どっちでも良いよ!』って感じでやったら、ちゃんと違和感を感じながら敬礼をしてくれたので、今の時代の戦争を知らない私たちの良い敬礼が撮れたなっと私は思った」と振り返った。

また、大森監督は古川と初めて会ったときの事を思い出し、古川は道に迷うそうで15分早く打ち合わせ場所に到着しており、お昼ご飯を食べそびれたようで途中で“おにぎり”を買って来ていたと明かし、古川に「食べて良いですよ」と言うと嬉しそうに“こそっと”食べたそうで、大森監督は「ちゃんと12時とか13時のお昼の時間にご飯を食べる人なんだ」と感心したとぶっちゃけ話笑いを誘った。古川は「おにぎりを食べていた記憶がなくて、昔の自分にビックリしてます」恥ずかしそうに答えていた。

最後に注目のポイントを聞かれ古川は「自由に観ていただけたら嬉しいです」と答え、大森監督は「セリフをどんどんそぎ落とし、表情でいろいろな事を語りたいと思った。皆さんでいろいろ感じ取って想像してもらえたら嬉しい」と答えていた。

短編映画『春』は、10月1日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開する。

© 株式会社ジェイプレス社