【追う!マイ・カナガワ】自民総裁選・河野氏完敗 「もっと実績を」叱咤激励が続々

 自民党総裁選を受けて、神奈川新聞「追う! マイ・カナガワ」取材班は、「マイカナ友だち」を対象に緊急アンケートを実施した。県内選出の河野太郎行政改革担当相は「自民党を変え、政治を変える」などと訴えて前評判は高かったが、岸田文雄氏に完敗。今後は自民党の広報本部長として出直すことになる河野氏に向け、「もっと実績を上げて」「これまで通り取り組んで」などと叱咤(しった)激励が続々と寄せられた。

◆長老支配、8割「続く」

 河野氏は地方票では岸田氏を大きく上回ったものの、議員票では4人中3位に低迷。国民や党員からの支持と比べ、議員からの支持に広がりを欠いた。

 今後、河野氏が首相を目指すにあたって必要なことは何かの問いには「人気だけでは国をまとめられないと思うので、正しい事を正しく発信でき、采配できる力が必要」(横浜市鶴見区の47歳主婦)「国民からの人気や党員の支持も思ったほどでなかった。もっと実績を上げてほしい」(同市金沢区の74歳無職男性)などと厳しい声が届いた。

 一方で、「これまで通りやれば良い。変わるべきは河野太郎ではなく日本の政治風土」(横須賀市の46歳公務員男性)、「河野氏は今のままでいい。むしろ、自民党自体が時代錯誤」(横浜市神奈川区の30代公務員男性)などの応援も多く、自民党の“長老政治”への不満もあらわになった。

 アンケートでは「今後も、安倍氏や麻生氏ら首相経験者が影響力を持つ自民党の長老支配は続くと思うか」との問いに、361人のうち8割近い人が「そう思う」と回答。「自民党内の長老支配にへきえきしている」(同市鶴見区の40代主婦)、「誰が総裁になっても安倍・管政権を何の反省もなしに継承するだけ」(同市南区の69歳無職女性)などの批判も。河野氏に対しては、週刊誌で官僚とのやりとりを「パワハラ」と報じられたことを引き合いに、「自分と違う意見や、批判に対してもう少し真摯(しんし)に対応すべき」(同市都筑区の40代学習支援職女性)などと求める声もあった。

◆岸田新総裁、5割超「支持しない」

 アンケートでは岸田文雄氏が新総裁に選出された結果について、支持するかどうかを質問。回答者361人のうち「支持しない」が185人、「支持する」が110人と、半数以上が今回の結果に満足していなかった。

 支持しないとした秦野市の無職女性(60)は「安倍、菅政権をそのまま引き継ぎそうで期待は出来ない。例えば、森友、公文書改ざん問題もあいまいな言葉でしか伝えていません」と断じた。

 「派閥の争いばかりで国民に目が向いていない」(鎌倉市の55歳会社員男性)、「結局のところ国民の声でもある党員票で勝った候補でなく、議員票で勝った候補が当選する。果たしてこのやり方で本当にいいのか」(横浜市保土ケ谷区の18歳男子学生)と派閥政治が踏襲され、国民が置き去りにされる政治を憂う声が相次いだ。

 一方、支持するとした相模原市中央区の70代無職男性は「岸田氏の誠実な印象から、他陣営より安心感があった」と言い、「菅首相が自分の言葉で話せず聞いていてまったく共感しなかった。今回の総裁選では国民を意識した訴えが伝わってきた」(川崎市多摩区の60代主婦)とする声も。

 岸田氏に何を期待するかとの問いには、コロナ対策を選んだ人が最多で、経済対策や社会保障が続いた。

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