ワークライフバランス実現へ 捜査支援課を新設 業務、捜査の効率化図る 長崎県・佐世保署員自殺から1年

 長崎県警は今年春、組織改編で捜査支援課を長崎、佐世保、浦上、諫早の4署に新設した。事件における防犯ビデオの画像収集や解析、盗品捜査の「質屋回り」など時間と手間がかかる捜査を主管課の依頼に応じて支援し、業務の平準化や捜査の合理化、効率化を図る。適正かつ効果的な捜査の推進とワークライフバランスの実現が目的で、現場からも「重点的にしたい業務に集中できるようになった」との声が聞かれる。
 県警刑事総務課によると、捜査支援課員は4署に計14人。未決事件や特殊詐欺事件の捜査支援など自署管内だけでなく、必要があれば他署管内も支援する。基本的な動作を幅広く経験できるため、若手を積極的に配置し、若手育成にもつながっているという。6月に大村で起きた民家強盗では、佐世保署以外の3署から捜査員が応援に向かい、防犯ビデオの捜査が立証する上で役に立ったという。
 長崎署捜査支援課長の松本陽子警部(48)は「手探りで始めたが、だいぶ軌道に乗ってきた。事件は波があるので忙しいところをバックアップし、働き方改革の一つの方法になっていると思う」と話す。特殊詐欺事件などで捜査を依頼する同署刑事2課長の松竹谷健警部(47)は「働き方改革により長時間労働が当たり前ではない中、こまごました手間がかかる捜査を任せられるようになり、助かっている」と効果を語った。
 4署の捜査支援課が8月末までに取り扱った件数は延べ885件。このうち防犯ビデオ等画像データの収集と解析(延べ201件)や質屋回り(延べ70件)など自署管内の事件業務が約68%、他署の支援業務が約17%、その他が約15%だった。


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