日常の運転と認知機能の関係性について、浜松市で浜松医科大学とスズキが実証事業開始

浜松医科大学とスズキ株式会社は、静岡県浜松市と協働し「高齢ドライバーにおける日常の運転行動特性と認知機能の関係性:前向きコホート研究」を開始する。

人々が適切に自動車を運転するため必要な注意力や記憶力といった様々な認知機能は、加齢に伴い低下することが広く知られている。またドライビングシミュレータなどを用いた研究でも、運転行動と認知機能の低下の関連が示唆されている。しかし認知機能の低下が日常の運転行動にどのような影響を与えるかはあまりわかっていない。

今回の実証事業では、運転データと認知機能検査の関係を分析することにより、日常の運転行動のどのような側面が認知機能の低下と関係するかを明らかにする。60歳以上75歳以下の浜松市民等に参加を募り、事前に認知機能検査と脳の健康度チェック、自動車の運転に関するアンケートを実施。自家用車にデータ取得用の専用デバイスをつけて3カ月間普段どおりに運転してもらい、再度アンケートに協力する。この研究の成果は、将来的に運転行動の変化から認知機能の低下を早期に発見する技術の開発につながる可能性がある。

今回の実証事業は、2020年4月に浜松市が設置した、市民の疾病・介護予防や健康増進につながる社会実証事業を実施する「浜松ウエルネス・ラボ」の取り組みの一環。現在、60歳以上75歳以下で、日常的に自家用車を運転する心身健康な浜松市民等を2021年10月~2024年6月まで募集している(応募者が200名に達し次第、募集を締め切る)。

参考:

【スズキ株式会社】日常の運転と認知機能の関係性について、浜松市で実証事業を開始~安全に長く運転を続けられる社会の実現を目指して~

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